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デジタル遺品とは? スマホ・サブスクの解約とSNSの行方【司法書士が解説】

この記事の監修者 司法書士 岩田 剛知(島根県司法書士会 第394号)

最終更新日:2026年9月8日 ※本記事は更新日現在の法令・実務に基づき内容を確認しています。

スマートフォンの中には、写真や連絡先だけでなく、サブスクの契約やSNSのアカウントも入っています。パソコンやクラウドストレージ、ネット銀行・証券口座も同じです。亡くなったあと、これらは誰がどこまで対応できるのでしょうか。5つに分けて整理し、生前にできる備えまで説明します。

スマホ決済やネット銀行、SNSは、ここ十数年で暮らしに定着しました。亡くなったときにどう扱われるかを知らないまま、家族が対応に困るケースが出てきています。

この記事のポイント

  • スマホ本体・パソコン・ネット銀行口座などの財産と、契約やデータへのアクセスは分けて考えます(民法896条)
  • サブスクの解約やSNSの申請は、相続人となる遺族等が事業者の正式な手続きを行う場合があります。受任者が申請できるかは事業者ごとに確認します
  • 生前にサービスの一覧、ID・パスワードの保管場所、公式の引き継ぎ機能を確認し、削除前に必要なデータを保全します

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1. 結論:財産・契約・データへのアクセスを分けて考えます

この章でわかること 財産・契約・データへのアクセスは、それぞれ確認する窓口が違います

結論から説明します。スマートフォン本体やパソコン、ネット銀行・証券口座の残高など、亡くなった方に属する物や財産上の権利義務は、相続の対象になり得ます。契約上の権利義務も相続の対象となり得ますが、内容によって扱いが異なります。端末内のデータを見られることや、サービスの契約を解約できることまで、同じように決まるわけではありません。

民法第896条
相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。

参考:e-Gov法令検索「民法」第896条

相続財産に含まれることと、中身へアクセスできることは別の問題です。端末のロック解除、クラウドのデータ取得、サービスの契約手続きには、それぞれ正規の窓口や条件があります。パスワードを何度も試すと初期化されることもあるため、無理に解析するのは避けます。

身寄りがない場合、これらの手続きを誰に頼めるのか不安に感じる方も少なくありません。死後事務委任契約で受任者に頼める事務がある一方、相続人の権利やサービス側の手続きとは分けて確認する必要があります。

サブスクの解約やSNSの申請は、相続人となる遺族等が事業者の正式な手続きを行う場合があります。死後事務委任契約の受任者が申請できるかは、事業者の規約・手続き・必要書類によって変わります。死後事務委任契約そのものの仕組みは、死後事務委任契約とは?の記事で説明しています。

財産の相続、契約の解約、データへのアクセス、死後事務委任契約の受任範囲は、別々に整理します。これらを分けて考えると、誰がどの窓口へ何を申請するかを確認しやすくなります。

2. デジタル遺品を5つに分けて考える

この章でわかること 5つの種類ごとに、対応できる人と窓口が違います

デジタル遺品とは、亡くなった方のスマートフォンやパソコンの中のデータ、ネット上の口座・契約・アカウントのことです。「デジタル遺品」とひとことで言っても、中身はさまざまです。端末の所有権、契約上の権利義務、データへのアクセスでは、確認する内容や窓口が異なります。まずは全体像をつかむために、5つに分けて表にしました。

種類 誰が対応できるか 備考
スマホ本体 故人が所有する本体は相続財産 本体の所有とロック解除は別。窓口・必要書類は各社へ確認
パソコン・クラウドストレージ 故人が所有する本体は相続財産。クラウドのアカウント・データはサービスの手続きが必要 写真・書類の保存場所とアクセス方法を生前に整理
サブスクの解約 相続人となる遺族等または受任者が、事業者の正式な手続きで申請 申請できる人・必要書類は事業者ごとに確認
ネット銀行・証券口座 故人名義の預金・有価証券は相続財産として相続手続きを行う 通帳や郵送物が届かず、存在に気づかれにくい
SNSアカウント サービスの手続きに沿って相続人・受任者が申請 追悼アカウント化や削除の申請ができる場合がある

表のとおり、スマホ本体やパソコンなどの物、ネット銀行・証券口座の財産上の権利、契約、データへのアクセスは、確認する内容が異なります。相続人であることや受任者であることだけで、すべてのサービスを自動的に操作できるわけではありません。この違いを分けて考えることが、デジタル遺品を整理する出発点になります。

次の章から、それぞれの中身を順番に見ていきます。

3. スマホ本体・パソコンとクラウドストレージの引き継ぎ

この章でわかること 本体の所有権・端末ロック・クラウドデータへのアクセスは別に確認します

スマホ本体は、財布や時計と同じ動産です。相続人が複数いる場合は、遺産分割の話し合いのなかで誰が引き継ぐかを決めます。端末メーカーや通信会社が、相続人等にロック解除を提供するかは、機種・会社・手続きによって異なります。Appleは、データを保持したままパスコードを解除することはできないと案内しています。窓口の名称や必要書類も会社ごとに異なります。Apple「故人のアカウント」

スマホもパソコンも、機種やメーカーによって解除の手続きが違います。指紋認証や顔認証を設定していても、通常のロック解除ではパスコードを使える場合があります。機種や保護機能によって条件が異なるため、メーカーの案内を確認します。事前に、どのメーカー・どの機種を使っているかを一覧に残しておくと、窓口探しの手間が減ります。

パソコンも本体そのものは動産として同じ扱いですが、中に保存した写真や書類とは分けて考える必要があります。パソコンにサインインできなければ、中のファイルにたどり着けないためです。

写真や重要な書類を、パソコン本体ではなくクラウドストレージ(オンライン上の保存サービス)に置いている方も増えています。本体の所有権と、クラウドアカウントの利用・データへのアクセス権は別です。家族や受任者が代わりにログインできるとは限りません。生前に「どこに何を保存しているか」と、利用できる公式の引き継ぎ機能を確認しておくと、亡くなったあとに写真や書類を探す負担を減らせます。

端末本体とは別に、携帯電話の回線契約も確認します。契約者の死亡による解約窓口・必要書類は通信会社ごとに異なります。端末を分割払い中なら、ドコモの案内のように、回線を解約したあとも分割支払金の残額の支払いが続く場合があります。ドコモ「死亡による解約」など、契約会社の案内を確認してください。

4. ネット銀行・ネット証券口座——気づかれないまま放置されるリスク

この章でわかること 通帳や郵送物がないぶん、口座の存在に気づかれにくくなります

ネット銀行やネット証券の口座は、通帳を発行しないところが多く、取引の案内も郵送ではなくメールやアプリの通知で届きます。通帳や郵便物が手がかりにならないため、相続人が口座の存在にまったく気づかないまま、何年も放置されてしまうことがあります。

店舗のある銀行であれば、通帳や届いたはがきから相続人が気づくことがあります。ネット銀行・証券口座は、この「気づくきっかけ」が少ないところが最大の違いです。手がかりになりやすいのは、確定申告の控えに記載された取引、メールの受信履歴、パソコンやスマホに保存されたブックマーク、パスワード管理アプリの登録内容などです。

口座自体は、預金や有価証券と同じく相続財産に含まれます(前章の民法896条)。名義変更や解約の一般的な流れは、金融機関へ亡くなった連絡をする、残高証明を取り寄せる、必要書類をそろえて提出する、という順番になります。手続きの詳細は金融機関ごとに異なるため、まずは各社の相続手続き窓口に確認します。相続人を探すところから始まる場合は、独身の方の相続は誰に渡るのかもあわせてご覧ください。

例えば、確定申告のときに使った証券会社からの通知メールに気づいて、初めて口座の存在が分かることがあります。生前に一覧がなければ、家族がこうした手がかりを一つずつ探すことになります。

相続税の申告が必要な場合は、ネット銀行・証券口座も含めて財産を漏れなく把握することが欠かせません。税額の計算は、提携する税理士と連携しながら進めます。

相続放棄を考えている場合は、口座の扱いに注意が必要です。相続財産を処分すると、相続を承認したものとみなされることがあります(民法921条1号)。

参考:e-Gov法令検索「民法」第921条

ネット銀行の預金を引き出したり口座を解約したりする前に、相続放棄をするかどうかを先に決めておくと安心です。相続放棄の期限については、相続放棄の3か月ルールを説明した記事もあわせてご覧ください。

ご自身やご家族の場合、見えにくい財産も含めてどこまで整理できているか判断が難しいときは、内容を一緒に確認できます。→ 見えにくい財産を一緒に確認する

5. サブスクの解約とSNSアカウントの行方

この章でわかること サブスクとSNSは、契約・サービスごとの手続きを確認します

動画配信、音楽配信、クラウドストレージといった月額課金のサービスは、サービスごとに契約と解約の手続きが定められています。国民生活センターは、契約者が亡くなった場合、相続人となる遺族等が解約手続きを行う必要があると案内しています。死後事務委任契約の受任者が申請できるか、必要書類は何かは、各サービスの案内を確認します。

参考:国民生活センター「デジタル遺品をめぐるトラブル」

一般論として、SNSには、亡くなった方のアカウントを追悼目的の状態に切り替えたり、削除の申請を受け付けたりする仕組みがあります。家族・近親者が申請する方式などもあるため、実際に手続きするときは各サービスの案内を確認します。

参考:Meta「追悼機能の更新」

「追悼アカウント化」の内容はサービスごとに異なります。Facebookでは、追悼アカウント管理人が一定の管理をできますが、故人としてログインすることはできません。削除ではなく、思い出として残す選択ができる場合もあります。投稿した写真や文章を残しておきたいときは、生前にデータをまとめてダウンロードしておく方法もあります。自分の投稿データを保存できる機能を用意しているサービスもあります。

放置した場合にどうなるかは、サービスによって差があります。自動的に削除されるとは限らず、契約が残ったまま料金の引き落としが続くこともあれば、一定期間ログインがないと自動的に休止扱いになるものもあります。だからこそ、次の章で説明する「頼んでおく」備えが意味を持ちます。

6. 死後事務委任契約で頼めること・頼めないこと

この章でわかること 合意内容・契約の解釈・サービスの手続きから、頼める範囲を確認します

死後事務委任契約は、「デジタル遺品対応」という独立した制度があるわけではありません。民法の委任契約(643条以下)を土台にして、亡くなったあとの事務を頼んでおく実務上の契約です。この点は死後事務委任契約とは? 頼めること・費用・遺言との違いでも詳しく説明しています。

委任契約は、本来は委任者が亡くなった時点で終了するのが原則です。

民法第653条(委任の終了事由)
委任は、次に掲げる事由によって終了する。
一 委任者又は受任者の死亡
二 委任者又は受任者が破産手続開始の決定を受けたこと。
三 受任者が後見開始の審判を受けたこと。

参考:e-Gov法令検索「民法」第653条

そのため死後事務委任契約は、「委任者が亡くなったあとも、決めておいた事務については契約の効力を続ける」という合意を、あらかじめ結んでおく形をとります。こうした合意の有効性は、最高裁判所の判例でも認められています。

受任者が動ける範囲は、合意した契約内容やその解釈、サービス側の手続きによって決まります。デジタル遺品について何も整理していなければ、頼んだつもりでも対応できないことがあります。契約には、対象業務と範囲を明確に書いておくことが大切です。具体的なサービス名の一覧を別紙で管理し、更新する方法もあります。サービス名を記載しても、事業者の受理や受任者の対応が保証されるわけではありません。

遺言と死後事務委任契約は、担当する範囲が違います。デジタル遺品についても、この役割分担を整理しておくと分かりやすくなります。

項目 遺言でカバーできること 死後事務委任契約でカバーできること
ネット銀行・証券口座 財産の行き先を指定できる 口座の発見・死亡連絡・書類の引継ぎなどを対象にできる場合がある。払戻し・遺産分配等の処分権限を当然に得るわけではない
サブスクの解約 対象外 事業者への解約申請を対象業務にできる場合がある。受理・必要書類は事業者へ確認
SNSアカウントの削除・追悼化 対象外 申請を対象業務にできる場合がある。申請者・書類はサービスへ確認
スマホ・パソコンのデータ消去 対象外 データ消去等を対象業務にできる場合がある。実施前に保全と対象範囲を確認

当事務所のエンディングサポートでは、アカウント削除手続きや、スマートフォン・パソコンのデータ消去破棄をオプションでご用意しています(費用は個別にご相談ください)。対象業務・範囲と、サービス側の手続きを契約内容に照らして整理します。

エンディングサポートの契約では、解約や削除にかかる実費を、あらかじめお預かりする預託金でまかなう仕組みになっています。当事務所では、お預かりした預託金を事務所の資金と分けて管理しています。

死後事務委任契約を公正証書で作成すると、契約内容を証明する資料として使える場面があります。ただし、通信会社や金融機関などの事業者が受理することまで保証するものではありません。公正証書の作成費用は、契約報酬とは別に実費としてかかります。

頼めないことは、生前の備えでカバーできます

契約している内容が分からないままだと、受任者も動きにくくなります。ご希望の業務と当事務所の対応範囲は、相談時に確認します。

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7. 生前にできる備えと、実際に手続きするときの流れ

この章でわかること 一覧・公式機能・削除前の保全を、生前に準備します

ここまで見てきたとおり、亡くなったあとにできることには限りがあります。まずは、生前にどんなサービスを契約しているかの一覧を作り、家族や受任者が分かる場所に残しておきます。サービスが用意する公式の引き継ぎ機能も、あわせて確認します。

一覧に書いておきたいのは、サービス名と、ID・パスワードの保管場所です。パスワードそのものを紙にそのまま書き残すと、盗み見られたときのリスクが残ります。パスワード管理アプリの名前や、鍵のかかる保管場所だけを書いておく形が安心です。パスワード管理アプリを使う場合も、そのアプリ自体のログイン方法を家族や受任者が分かる形で残しておかなければ意味がないため、あわせて確認しておきます。

パスワード管理アプリの多くは、1つのマスターパスワードで複数のID・パスワードをまとめて管理できます。家族と共有する機能があるアプリを選ぶと、いざというときに調べやすくなります。

一覧は、一度作って終わりにしないことも大切です。新しく契約したサービスや、使わなくなって解約したサービスがあれば、そのたびに書き換えておくと、いざというときの情報が古いままになりません。

Appleには「故人アカウント管理連絡先」があり、生前に連絡先を指定できます。アクセスにはアクセスキーと死亡を証明する書類が必要で、購入コンテンツ、サブスク、キーチェーンに保存したパスワードなどは対象外です。Googleには「アカウント無効化管理ツール」があり、一定期間利用がない場合の連絡先や共有を設定できます。各社の申請条件は異なります。Googleは、アカウントを閉鎖すると、後から内容の提供を依頼できない旨も案内しています。Apple「故人アカウント管理連絡先」Google「アカウント無効化管理ツール」も確認してください。

パスワードを知っていることと、サービスの利用・アクセス権限があることは別です。生前に保存場所とID・パスワードの保管場所を整理します。Appleの故人アカウント管理連絡先やGoogleのアカウント無効化管理ツールも確認してください。解約や削除を急ぐ前に、相続財産に関わる記録、未払い・返金の有無、必要な写真や書類、二段階認証への影響を確認します。必要なデータを保全してから、解約・削除の手続きを進めます。本人の希望だけで、相続人の権利に関わる資料まで一律に消さないよう注意してください。

こんな方は、今のうちに整理しておく価値があります

  • 動画配信や音楽配信など、複数のサブスクを契約している
  • スマホ決済や電子マネー、ネット銀行・証券口座を日常的に使っている
  • SNSを日常的に更新している
  • 家族や受任者に、契約しているサービスを伝えていない

実際に手続きするときの流れを整理すると、次のようになります。

  1. 気づく —— 一覧やエンディングノート、確定申告の控え、メールの受信履歴などから、契約しているサービスに気づきます。
  2. 調べる —— サービスの契約内容や、解約・削除の窓口を調べます。死後事務委任契約の対象になっているかも確認します。
  3. 窓口に連絡する —— 通信会社・金融機関・各サービスの相続または解約の窓口に連絡し、必要書類を確認します。
  4. 保全を確認する —— 相続財産、未払い・返金、必要な写真や書類、二段階認証への影響を確認し、必要なデータを保全します。
  5. 解約・削除する —— 必要書類を提出し、解約や削除、名義変更の手続きを進めます。

この一覧は、エンディングノートに書き留めておくのに向いています。ただし、エンディングノートだけで遺言と同じ効力が生じるわけではありません。財産の行き先を決めるには遺言が必要です。エンディングノートと遺言の違いもあわせてご覧ください。

見守り契約を結んでいる場合も、一覧の更新を含めてどこまで頼めるかは、契約内容と事務所の対応範囲によって異なります。相談時に、希望する範囲を確認してください。何から手をつけるか迷う場合は、生前対策は何から始めればいいかもご参照ください。

8. よくある質問

この章でわかること ロック解除・サブスクの申請・ネット口座・SNSの扱いについて答えます

Q. スマホのロックを、家族や受任者が代わりに解除できますか?

A. 端末のロック解除、法律上の可否、当事務所が扱える範囲は分けて確認します。家族や受任者が独自にパスワードを試すのは避け、通信会社やメーカーの案内を確認してください。Appleは、データを保持したままパスコードを解除することはできないと案内しています。

Q. サブスクの解約を、死後事務委任契約の受任者に任せられますか?

A. 相続人となる遺族等が事業者の正式な手続きを行う場合があります。受任者が申請できるか、契約内容に対象業務を含められるか、必要書類は何かを、サービスごとに確認してください。契約書にサービス名を書いても、事業者の受理まで保証されるわけではありません。

Q. SNSのアカウントは、放置するとどうなりますか?

A. 自動的に削除されるとは限りません。サービスによって追悼アカウント化や削除申請の仕組みがあります。Facebookでは、追悼アカウント管理人が一定の管理をできますが、故人としてログインすることはできません。

Q. パソコンやクラウドに保存した写真は、家族が見られますか?

A. パソコン本体の所有と、クラウドアカウントの利用・データへのアクセスは別です。生前に保存場所とID・パスワードの保管場所を整理します。Appleの故人アカウント管理連絡先やGoogleのアカウント無効化管理ツールなど、公式機能も確認しておきます。

Q. ネット銀行の口座を持っていることを家族に伝えていないと、どうなりますか?

A. 通帳や郵送物が届かないため、相続人が口座の存在に気づかないことがあります。生前に一覧を残しておくと確認しやすくなります。受任者が口座の発見・死亡連絡・書類の引継ぎをできるかは契約内容と金融機関の手続きによります。受任者というだけで預金の払戻しや遺産の分配をする権限が生じるわけではありません。

9. まとめ

  • スマホ本体・パソコン・ネット銀行口座などの財産と、契約やデータへのアクセスは分けて考えます(民法896条)
  • サブスクの解約やSNSの申請は、相続人となる遺族等または受任者が、事業者の正式な手続きで申請します
  • ネット銀行・証券口座は、通帳や郵送物がないぶん、気づかれないまま放置されるリスクがあります
  • 死後事務委任契約で頼める範囲は、合意内容・契約の解釈・サービスの手続きで決まります(委任は本来、委任者の死亡で終了します。民法653条1号)
  • 生前に一覧と公式の引き継ぎ機能を確認し、削除前に相続財産や必要なデータを保全します

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