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おひとりさまの終活は何から?3つに分けて進める準備の順番【司法書士が解説】

この記事の監修者 司法書士 岩田 剛知(島根県司法書士会 第394号)

最終更新日:2026年9月2日 ※本記事は更新日現在の法令・実務に基づき内容を確認しています。

ひとりで暮らしていると、終活を始めたいと思っても、何から決めればよいのか迷いやすいものです。遺言、入院、住まい、葬儀、連絡先など、考える言葉が一度に出てくるからです。

全部を一度に片づける必要はありません。今の暮らし、体が動かなくなったとき、亡くなったあとの三つに分けると、今の自分に必要な準備が見えます。

この順番で、まず書き出すことと、詳しい制度の記事へ進む場所を整理します。

この記事のポイント

  • 終活は「今の暮らし」「体が動かなくなったとき」「亡くなったあと」に分けると整理しやすくなります
  • 連絡先や住まいの情報は、今日からメモにできます。契約や遺言は、その後に必要なものを選びます
  • 遺言、身元保証、財産管理、死後事務は役割が異なります。一つの方法だけで全部をまかなうものではありません

考える順番から相談したい方は、状況がまとまっていなくても大丈夫です。→ 無料相談について見る

1. おひとりさまの終活は、三つの時期に分けて始めます

この章でわかること 考えることを時期ごとに分ける方法です

おひとりさまの終活は、今の暮らし、体が動かなくなったとき、亡くなったあとの順に分けると、最初の一歩が決まります。

終活という言葉から、遺言や葬儀をすぐに思い浮かべるかもしれません。しかし、今の生活で困らないための情報整理も、同じくらい大切な準備です。通院先や連絡先が分からなければ、急な入院のときに必要な人へ知らせにくくなります。

次に考えるのが、体調の変化や入院で、自分だけでは動きにくくなったときです。頼れる家族や知人がいるか、頼むなら何を頼みたいかで、必要な備えは変わります。

最後に、亡くなったあとのことを考えます。財産を誰に残したいかと、葬儀や住まいの片づけなどを誰に頼むかは、分けて整理します。この三つを混ぜないことが、終活を途中で止めないコツです。

終活は時期で分けて考える 今の暮らし体が動かないとき亡くなったあと 連絡先と生活情報住まい、通院先、契約先頼れる人と役割入院、支払い、連絡財産と手続き遺言、葬儀、解約 一度に決めず、気になる時期から整理します
今の生活から亡くなったあとのことまで、時期ごとに見直します

すでに遺言を書いている方も、これから終活を始める方も、この順番で問題ありません。今の暮らしのメモがあると、後で遺言や契約を考えるときにも、必要な情報を探しやすくなります。

生前対策の手段を広く見渡したい場合は、生前対策は何から始めればよいかも参考になります。ここでは、その中でもひとりで暮らす方が最初に整理しやすい順番に絞ります。

2. 今の暮らしは、連絡先と生活の情報を残すところから整えます

この章でわかること 今日からメモにできる生活情報です

最初に契約や書面を選ぶ必要はありません。今の暮らしで使っている情報を、分かる範囲で一か所に集めます。大切なのは、完璧な一覧にすることではなく、必要なときに手掛かりが見つかる状態にすることです。

分け方 メモしておくものの例 見直すきっかけ
連絡先 親族、友人、勤務先、近所で頼れる人 連絡先や関係が変わったとき
医療と生活 通院先、服薬、介護に関する連絡先 病院や生活の支え方が変わったとき
住まい 持ち家か賃貸か、管理会社、鍵の保管場所 引っ越しや契約変更をしたとき
お金と契約 口座、保険、公共料金、通信契約の手掛かり 新しい契約や口座を作ったとき
大切な書類 遺言、保険証券、契約書、印鑑などの置き場所 保管場所を変えたとき

メモは、本人だけが読める場所にしまい込まないようにします。ただし、口座番号や暗証番号をそのまま書くと、情報が漏れる心配があります。何をどこで確認できるかという案内を残し、保管場所は信頼できる人と相談して決めてください。

連絡先のメモでは、親族だけに絞る必要はありません。長く付き合いのある友人、近所の人、勤務先の担当者など、急な連絡を受けてもよい人を思い浮かべます。連絡先を残すことと、すべての手続きを頼むことは別です。まずは、知らせてほしい人と、知らせなくてよい人を分けておくと考えやすくなります。

生活情報のメモも、細かな説明まで書かなくて構いません。たとえば「通院先は診察券の入った箱」「賃貸借契約書は書棚の青いファイル」のように、手掛かりを残します。資料の置き場所を変えたときは、メモのほうも直します。誰かが探せる状態にしておくことが目的です。

スマートフォンやパソコンの中だけに連絡先や契約情報を置いている場合もあります。端末の使い方や、重要な情報が入っていることを、信頼できる人へどこまで伝えるかを考えます。パスワードを安易に共有するのではなく、端末や書類の扱いをどうしてほしいかという希望を残すところから始めます。

住まいのことは、早めに整理しておくと役に立ちます。賃貸住宅なら管理会社や契約書の置き場所を、持ち家なら固定資産税の書類などの置き場所を確認します。家がある場合の名義や売却の話は、誰も住まない実家の名義変更と売却で詳しく説明しています。

この段階では、誰かに頼むことを決めなくても構いません。情報を出してみると、自分で続けられることと、後で助けが必要になりそうなことが分かれてきます。

メモを作る途中で、情報がそろっていないことに気づく場合もあります。保険の内容が分からない、契約先が見つからない、誰へ連絡してよいか迷うなどです。その場で答えを出せなくても、空欄のまま残してください。空欄は、次に相談したいことを示す目印になります。

3. 体が動かなくなったときは、頼れる人と役割を考えます

この章でわかること 入院や判断力の変化に備える役割の分け方です

体調を崩したり、入院したりすると、連絡、支払い、手続きなどを一人で進めにくくなることがあります。ここで考えるのは、「誰が助けてくれるか」だけではありません。どの場面で、どの役割を頼めるかを分けることです。

まず、緊急時に連絡してほしい人がいるかを考えます。次に、入院や施設入居のときに、連絡先や保証人を頼める人がいるかを考えます。頼れる人がいない、または負担をかけにくい場合でも、相談先や契約の選択肢は一つではありません。

身元保証、財産管理、任意後見は、同じ役割を指す言葉ではありません。 身元保証は入院や施設入居で求められる役割に関わります。財産管理や任意後見は、本人が自分で判断しにくくなったときの備えとして検討します。

身元保証人を頼める人がいない場合の相談先や、役割の分け方は、入院・施設入居で身元保証人がいないときの備えで説明しています。入院時の困りごとが先にある方は、こちらから読んでください。

元気なうちからの見守りや、日々のお金の管理について知りたい方は、見守り契約と財産管理委任契約・任意後見の違いへ進みます。この入口記事では、どの契約が合うかを決めつけず、今どの不安が大きいかを見つけるところまでにとどめます。

家族や友人に頼めることがある場合も、急に大きな役割を頼む必要はありません。まず「入院したら連絡を受けてもらえるか」「書類の置き場所を知っていてもらえるか」といった小さな役割から話します。相手が担えることと、担えないことを分けると、双方の負担を見通しやすくなります。

頼れる人が遠方にいるときは、距離だけで頼めないと決めないことも大切です。連絡を受けることはできても、すぐに住まいへ行くことは難しいかもしれません。反対に、近くの知人は緊急連絡には応じられても、お金や契約のことまでは頼みにくい場合があります。役割を分けて考えると、空いている部分が見つかります。

自分の判断力や体調に不安が出たときは、何をどこまで自分で決められるかを一人で抱え込まず、早めに相談してください。どの制度を使うかは、その時点の事情で変わります。この記事の目的は、決める前に困りごとを言葉にすることです。

体が動かなくなったときの備えは、「誰か一人に全部を頼む」ことだけが答えではありません。連絡、入院、生活、お金のことを分け、頼める範囲を相談で確認してください。→ 生前対策の相談先を見る

4. 亡くなったあとは、財産と手続きを分けて準備します

この章でわかること 遺言と死後事務で考える内容の違いです

亡くなったあとの準備では、「誰に残すか」と「誰に動いてもらうか」を分けて考えます。相続人が誰になるのか、財産を誰に渡したいのかを考えるのが遺言の側です。葬儀、住まい、連絡、契約の終了などを誰に頼むかは、死後事務の側で考えます。

民法は、遺言が遺言者の死亡のときから効力を生じると定めています。財産の行き先を準備するときには、遺言の役割を確認します。

民法第985条第1項
遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。

参考:e-Gov法令検索「民法」第985条

遺言によって、財産の全部または一部を処分できることも、民法に定められています。

民法第964条
遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる。

参考:e-Gov法令検索「民法」第964条

※遺言の方式は、令和8年法律第45号(2026年6月24日公布)で自筆証書遺言などの押印が任意になるなど、見直しが決まっています。施行日は公布から1年以内に政令で定められ、施行後にこの記事の内容も更新します。

気になること まず考えるもの 次に確認すること
預金や不動産を渡したい相手 遺言 財産と相手をどう書くか
相続人が誰になるか 相続の整理 自分の状況で誰が相続人か
葬儀や供養についての希望 希望のメモと死後事務の整理 誰に、どこまで頼むか
賃貸住宅の解約や家財の片づけ 死後事務の整理 住まいの契約と連絡先
電気や通信などの契約を終えること 死後事務の整理 利用中の契約を洗い出せるか

配偶者や子どもがいない方は、誰が相続人になるかを先に確認しておくと、遺言で決めたいことが見えやすくなります。相続人の順位と、遺言が必要になりやすい場面は、独身の方の相続は誰に渡るのかで扱っています。

遺言の形を選ぶ段階になったら、自筆と公正証書のどちらの遺言にするかを確認します。作成後に事情が変わった場合は、遺言を書き直すときの手順へ進んでください。

死後の手続きを誰に頼むかは、遺言とは別に考えます。頼める内容と費用の見方は、死後事務委任契約とは何かで個別に説明しています。

亡くなったあとについては、遺言と死後事務だけを考えれば終わるわけではありません。誰に連絡してほしいか、住まいに残したい品があるか、ペットやデジタル機器について希望があるかなど、人によって気になることが違います。最初は、希望を短い言葉でメモにします。

そのメモを見ながら、財産に関する希望は遺言の検討へ、手続きに関する希望は死後事務の検討へ渡します。どちらに入るか迷う項目は、無理に決めず相談時に確認します。書面の名前を先に決めるより、残したい希望を先に並べるほうが抜けを減らしやすくなります。

5. 制度を一度に選ばず、心配ごとから組み合わせます

この章でわかること 一つの方法に役割を集めすぎない考え方です

終活で目にする言葉には、遺言、見守り契約、財産管理委任契約、任意後見、身元保証、死後事務委任契約などがあります。名前が多いと、全部を用意しなければならないように感じるかもしれません。

実際には、心配ごとに合うものを考えます。今の暮らしの情報整理だけで足りる方もいれば、入院時の連絡先を先に考えたい方もいます。財産を特定の人へ残したい希望があるときは、遺言を先に検討することがあります。

大切なのは、制度の名前から選ばず、「何が心配か」から出発することです。 たとえば「入院したときの連絡先がいない」「自分の預金を誰に残すか決めたい」「賃貸住宅をどう片づけるか気になる」と、心配を短い言葉で分けます。

そのうえで、詳しい制度の記事を読み、相談では自分の事情に合うかを確認します。料金や受任できる範囲は、同じ言葉の契約でも内容によって変わるため、この入口記事で決めつけません。

終活の準備を始めたからといって、すぐにすべての契約や遺言を作る必要はありません。情報のメモを作る、家族や知人へ希望を伝える、既にある書類を探すといった準備だけでも、次の相談で役に立ちます。急ぐ事情がないなら、考える時間を持つことも選択肢です。

反対に、入院や住まいの変更が近く、今困っていることがある場合は、最初にその問題へ対応します。終活全体の完成を待ってから相談する必要はありません。いま必要なことと、将来に備えることを分けると、気持ちの負担も軽くなります。

亡くなったあとの手続きまで含めて相談したい場合は、終活支援の案内を見ることもできます。読む記事が増えて迷ったときは、今いちばん困っていることを一つだけ選んで相談してください。

6. 迷ったときは、メモから書面へ進む順番を守ります

この章でわかること 書く前に確認したい三つの順番です

終活は、書類を増やすことが目的ではありません。自分の希望を整理し、必要なときに必要な人へ伝わる状態にすることが目的です。次の順番で進めると、分からないことを抱えたままでも手を動かせます。

  1. 気になることを書き出す —— 連絡先、住まい、お金、入院、亡くなったあとのことを、思いつく言葉でメモします。
  2. 時期ごとに分ける —— 今の暮らし、体が動かなくなったとき、亡くなったあとに振り分けます。
  3. 必要な書面と相談先を選ぶ —— 遺言や契約が必要な項目だけを、既存の記事や相談で確認します。

一つ目のメモには、正しい専門用語はいりません。「スマホの契約を止めてほしい」「入院したら誰に連絡してほしい」「この口座は誰に残したい」と書くだけで十分です。専門家に相談するときは、その言葉を持参すれば、必要な書面へ置き換えやすくなります。

二つ目では、今すぐ必要なものを先にします。すでに入院や施設入居が近いなら、身元保証や連絡先の話から確認します。まだ元気で、財産の行き先が気になるなら、遺言の話から整理します。

三つ目で、初めて書面や契約を選びます。希望に合わない契約を先に決めるより、今の不安を言葉にしてから相談するほうが、必要な範囲を確かめやすくなります。

7. 終活は、一度決めたあとも見直せます

この章でわかること 暮らしの変化にあわせて見直す場所です

終活は、一回で完成させるものではありません。引っ越し、入院、財産の増減、頼りたい人との関係の変化があれば、メモや書面を見直します。小さな変更でも、今の内容と合っているかを確かめる機会になります。

特に見直したいのは、連絡先、住まいの情報、保険や口座の手掛かり、遺言に書いた財産です。新しい口座を作ったり、以前の住まいを手放したりしたときは、古い記録だけを残さないようにします。

見直す日を特別に決めなくても、季節の変わり目や誕生日、保険の更新といった生活の節目に、メモを開くだけで十分です。連絡先がつながるか、書類の場所が変わっていないかを確かめます。時間をかけられないときは、一つの欄だけを見直しても構いません。

誰かへ希望を伝えた場合も、その人の事情が変わることがあります。遠方へ引っ越した、体調が変わった、以前ほど頼りにくくなったというときは、役割を見直します。頼む相手を責めるためではなく、実際に動ける人が分かるようにするための確認です。

見直しで不安が増えたときは、全部を解決しようとせず、変わった項目だけを相談してください。終活のメモは、困りごとを可視化するための下書きです。空欄や迷いが残っていても、次の一歩を決める材料になります。

遺言は、内容が変わったときの扱いを確認しながら書き直すことができます。手順や注意点は、遺言の撤回と作り直しで確認してください。死後事務や身元保証の契約についても、状況が変わったときの扱いは契約前に確認します。

見直しのときに、すべてを作り直す必要はありません。今の暮らし、体が動かなくなったとき、亡くなったあとという三つの欄を見て、変わったところに印を付けるだけでも役に立ちます。

8. よくある質問

この章でわかること 終活を始める前によくある疑問です

Q. 終活は何歳から始めればよいですか?

A. 年齢で決める必要はありません。連絡先や住まいの情報を書き出すだけなら、今日から始められます。遺言や契約を考える段階になったら、その時点の体調や希望に合わせて相談してください。

Q. 子どもや兄弟姉妹がいても、終活は必要ですか?

A. 家族がいても、連絡してほしい人、住まいの情報、財産の希望が共有されていなければ、あとで迷うことがあります。誰にどこまで頼みたいかを自分の言葉で整理しておくと、家族も判断しやすくなります。

Q. 遺言だけを書けば、終活は終わりますか?

A. 遺言は財産の行き先を考えるための大切な書面です。一方で、入院時の連絡先、身元保証、賃貸住宅の解約などは別に考えることがあります。気になることを三つの時期に分け、遺言に入らないものが残っていないかを確認してください。

Q. 家族に頼りたくない場合は、どこから相談しますか?

A. まず、今困っていることを一つ選びます。入院や施設入居が心配なら身元保証の記事、財産を残す相手が気になるなら遺言や相続の記事、亡くなったあとの手続きが気になるなら死後事務の記事から確認できます。相談の場では、家族にどこまで頼れるかも含めて整理します。

9. まとめ

  • おひとりさまの終活は、今の暮らし、体が動かなくなったとき、亡くなったあとに分けて考えます
  • 最初は、連絡先、住まい、生活に関する情報をメモにするところから始めます
  • 身元保証、財産管理、任意後見、遺言、死後事務は、それぞれ担う役割が違います
  • 一つの契約や書面ですべてを決めようとせず、心配ごとごとに必要なものを選びます
  • 状況が変わったときは、メモと書面を見直します

終活は、将来の全部を今決める作業ではありません。まず、今の暮らしで必要な情報を残し、気になることを一つずつ整理してください。

最初のメモが一枚あれば、終活の準備は始まっています。書き足しながら、自分に必要な相談先や書面を選んでいきましょう。分からない項目は空欄のままにし、後から確認できた時点で足せば大丈夫です。いま気になることに印を付けるだけでも、次に調べる順番が見えます。書く場所は、紙でも手帳でも構いません。都合のよい時に少しずつ進められます。ゆっくりで大丈夫です。

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何から話せばよいか分からないままで構いません。暮らし、入院、亡くなったあとのうち、いちばん気になることから一緒に整理します。

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