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相続の戸籍は広域交付で取れる?請求資格・対象外と郵送の使い方【司法書士が解説】

相続の戸籍、近くの窓口で取れる? 兄弟姉妹の戸籍など、取れないものもあります

監修予定者 司法書士 岩田 剛知(島根県司法書士会 第394号)

ページ更新日:2026年10月1日 ※事務所の確認前の下書きです。一般的な手続きの解説であり、個別の事情によって必要な対応は異なります。

相続のために戸籍を集めたいのに、本籍地が遠い。故人が何度も本籍を移していて、どこへ請求すればよいか分からない。まずは近くの窓口で取れる戸籍と、本籍地へ請求する戸籍を分けて考えましょう。

戸籍の広域交付を使えば、対象となる戸籍は本籍地以外の市区町村窓口でも請求できます。ただし、誰でも、すべての証明書を取れるわけではありません。請求する方との関係、書類の種類、本人が窓口へ行けるかで、使う方法が変わります。相続の戸籍を無理なくそろえる順序を説明します。

この記事のポイント

  • 広域交付は、本人・配偶者・父母や子などの直系親族が対象です。
  • 請求資格のある方が直接窓口へ出向き、顔写真付きの公的身分証明書を示します。郵送や代理人による広域交付はできません。
  • 対象外の戸籍、附票(戸籍に記録されている人の住所の履歴)、住所資料などは、必要な書類に応じて本籍地等への請求に切り替えます。

何をどこまで取得するか分からない場合は、手元の戸籍と提出先の案内から整理できます。→ 無料相談を予約する

1. 広域交付は、本籍地以外で対象の戸籍を請求する方法です

この章でわかること 本籍が遠くても、対象の戸籍は近くで請求できます。

戸籍の広域交付とは、本籍地以外の市区町村の窓口で、戸籍証明書・除籍証明書(全員が戸籍から除かれた戸籍の証明)を請求できる制度です。2024年3月1日から始まりました。住んでいる場所だけでなく、勤務先の最寄りの窓口などで請求することもできます。

本籍地とは、戸籍が置かれている場所です。現在の住所とは一致しないことがあります。相続で故人の過去の戸籍を集めるときには、転籍によって複数の自治体の戸籍が必要になる場合があります。

広域交付では、対象となる複数の本籍地の戸籍を、一つの市区町村窓口で請求できます。ただし、取得できる範囲は請求資格と証明書の種類に限られます。→ 法務省「戸籍法の一部を改正する法律について」

戸籍の収集と、相続手続きの完了を分ける

広域交付は、戸籍を取得するための方法です。銀行の払戻しや、不動産の名義変更を行う手続きではありません。戸籍が手に入った後、各提出先に必要な資料をそろえて申請等を進めます。

相続登記とは、故人の土地や建物の名義を相続人へ変更する登記です。登記には戸籍以外の資料も使います。期限の考え方は、相続登記の3年ルールをご確認ください。

また、相続放棄に必要な戸籍は、亡くなった方との続柄で範囲が変わります。相続の用事があるからといって、いつも同じ一式を取得するわけではありません。先に手続き先の必要書類を確認してから、広域交付を使う範囲を決めます。

本籍地での通常請求も、引き続き選べる

広域交付が利用できるようになっても、本籍地への通常の請求がなくなったわけではありません。広域交付で取れない資料がある場合や、窓口へ本人が行けない場合は、通常の請求の条件に合わせて取得します。

最初からすべてを郵送するか、すべてを窓口でそろえるかの二択ではありません。近くで取れるものを確認し、対象外のものを本籍地へ請求する組合せも考えられます。その前提として、必要書類と請求する方を一覧にします。

2. 請求できるかは、あなたと戸籍の方との関係で決まります

この章でわかること 相続人であることだけでは、広域交付の資格になりません。

広域交付を請求できるのは、戸籍に記載されている本人、その配偶者、直系尊属、直系卑属です。直系尊属は父母・祖父母など、自分より上の世代へつながる親族です。直系卑属は子・孫など、自分より下の世代へつながる親族です。

兄弟姉妹、おじ・おば、おい・めいなどは、直系親族ではありません。あなたがその方の相続人であっても、それだけで広域交付の対象になるわけではありません。本籍地での通常請求を検討します。

対象となる方との関係 広域交付の資格 確認点
戸籍に記載された本人 対象 自分が記載された戸籍を請求する
配偶者 対象 配偶者の戸籍を請求する
父母・祖父母等 対象 請求者との直系関係を確認する
子・孫等 対象 請求者との直系関係を確認する
兄弟姉妹・おじおば・おいめい等 その関係だけでは対象外 本人として同じ戸籍に記載されている等の事情は別に確認
配偶者の父母など 配偶者の親族であることだけでは対象外 直接の親子関係など、別の請求資格があるか確認

出典:法務省の広域交付案内、松江市「戸籍の広域交付について」。自分が同じ戸籍に記載されている場合などは、単に兄弟姉妹の関係という説明だけで判断しないようにします。

子が親の戸籍を取る場合

子が亡くなった親の戸籍を請求する場合、直系卑属として対象になります。自分と故人の親子関係を確認し、相続に必要な範囲を伝えます。祖父母の戸籍についても、直系関係を確認して請求します。

故人の配偶者の現在戸籍や、兄弟姉妹それぞれの現在戸籍まで、自動で取れるとは限りません。同じ相続の手続きに必要でも、請求するあなたから見た関係は資料ごとに違います。一式の中で、取得方法を分けることがあります。

兄弟姉妹の相続を進める場合

亡くなった兄弟姉妹の戸籍は、兄弟姉妹であることだけでは広域交付で請求できません。一方、共通の父母の戸籍を直系親族として取得できる場合があります。その戸籍に必要な関係が記載されているかは、資料の範囲を確認します。

必要な資料を全部「兄弟の戸籍」と呼ぶと、どこが対象外なのか分かりにくくなります。故人の一連の戸籍、父母の戸籍、各相続人の現在戸籍などに分けてください。戸籍ごとに請求資格を確認するほうが、問い合わせも具体的になります。

そもそも兄弟姉妹が相続人になるかという順位の判断は、戸籍の取得方法とは別です。独身の方の相続人の順位と遺言の役割で基本を確認し、家族関係が複雑なら資料を持って相談します。

「代理で行く」と「自分の資格で請求する」は違う

広域交付は、委任状を持った代理人による請求を認めていません。家族から頼まれた人が、本人の身分証を持って窓口に行けばよい、という制度ではありません。

ただし、窓口へ行く家族自身が直系親族などの資格を持つ場合は、その方自身の資格で請求するかを確認できます。例えば、子が親の戸籍を自分の資格で請求することと、親の代理人として請求することは分けます。誰の名で何を請求するかを、窓口で説明できるようにしましょう。

3. 謄本は対象ですが、附票・抄本などは別の方法で取ります

この章でわかること 書類名を見て、広域交付の対象を分けます。

広域交付は、戸籍全部事項証明書や除籍全部事項証明書など、対象となる戸籍・除籍の謄本を請求する方法です。謄本は、その戸籍の全体を証明するものです。一人分の記録を証明する抄本などとは区別します。

相続の必要書類に「戸籍」と書かれていても、ほかに住所の記録が必要な場合があります。戸籍の附票や住民票除票(死亡や転出で住民票から記録が消されたもの)は、広域交付の戸籍と同じセットで自動的に出るものではありません。

書類 広域交付での扱い 対象外の場合の請求先等
戸籍謄本・全部事項証明書 資格等の条件を満たせば対象 本籍地以外の対応窓口で請求する
除籍謄本・改製原戸籍(法改正等で作り替えられる前の戸籍)謄本等 コンピュータ化等の条件を満たすものが対象 取れない分は本籍地へ請求する
抄本・個人事項証明書・一部事項証明書 対象外 本籍地への通常請求を確認する
コンピュータ化されていない一部の戸籍・除籍 対象外 記録を保管する本籍地へ請求する
戸籍の附票 戸籍の広域交付の対象外 本籍地の自治体へ請求する
住民票除票 戸籍の証明書とは別 住民登録があった自治体へ確認する

対象・対象外の出典:法務省の広域交付案内、出雲市「戸籍証明書等の広域交付」。書類名が似ていても、同じ交付方法とは限りません。

「古い戸籍はすべて取れない」ではない

対象外とされるのは、コンピュータ化されていない一部の戸籍・除籍です。昔の戸籍だからという年齢や年月だけで、全部を対象外と決めるのは適切ではありません。広域交付で取れるかは、その記録を確認して判断します。

窓口で一部が取得できなかったら、その戸籍の本籍地、種類、足りない期間をメモします。「古い分がありません」だけでは、次の請求先を特定できません。どの記録が取れなかったかを明らかにして、本籍地へ請求します。

本籍・住所・不動産の所在地を分ける

故人の本籍地、最後の住所地、不動産の所在地が、別々の市にあることがあります。戸籍は身分関係を、住所資料は住所のつながりを、不動産の資料は土地や建物の情報を確認するために使います。

本籍だけでは住所のつながりが分からない場合があります。必要書類の案内で附票や除票を求められているなら、戸籍謄本に置き換えて済ませないようにします。取得方法と、提出先が必要とする情報を別々に確かめてください。

実家の名義変更と売却の順序は、誰も住まない実家、名義変更と売却どちらが先かをご覧ください。広域交付の記事だけで、その後の不動産の判断まで決めるものではありません。

4. 顔写真付き身分証と、必要な戸籍の範囲を用意します

この章でわかること 行く前に本人確認と請求内容を整理します。

広域交付では、窓口へ行く方の顔写真付きの公的な身分証明書を提示します。例として、マイナンバーカード、運転免許証、パスポートが挙げられています。顔写真のない資格確認書や年金手帳だけでは、広域交付を請求できません。

家族の身分証を預かるのではなく、請求資格のある方自身の書類を用意します。有効期限や現在の氏名・住所の表示も確認してください。使える本人確認書類に迷う場合は、行く予定の自治体へ先に確認します。

→ 法務省「広域交付制度のポイント」

故人の情報を、分かる範囲でメモする

対象者の氏名、生年月日、本籍、筆頭者氏名を整理します。現在の住所だけで、本籍が分かるとは限りません。手元の戸籍、家族が保管している証明書、提出先の案内などで確かめましょう。

筆頭者は戸籍の先頭に記載される方であり、その方が亡くなっても表示が変わるとは限りません。故人を筆頭者と決めつけず、資料の表示を確認します。分からない項目は空想で補わず、どの情報が分からないかを窓口に伝えます。

必要な範囲を、書類の目的と一緒に伝える

提出先が故人の出生から死亡までの戸籍を求めているなら、その範囲と相続で使うことを伝えます。死亡が記載された戸籍だけが必要な手続きもあるため、何に使うかを分けてください。「相続だから全部」とだけ伝えると、対象者や必要範囲が曖昧になります。

出生から死亡までの請求では、転籍や改製で戸籍が複数に分かれることがあります。広域交付の対象となる分を請求し、対象外があれば不足分を確認します。相続人全員の戸籍まで、あなたの資格だけですべて取得できるとは限りません。

相続放棄を検討している場合は、戸籍取得に時間がかかっていても、期限の確認を並行します。相続放棄の3か月はいつから数えるかで詳しく扱っています。故人の借金について調べる方法は、亡くなった親に借金があるか調べる方法をご確認ください。

窓口で使う短いメモの例

以下は架空の準備例です。「亡くなった父の相続登記に使う。父の氏名・生年月日・最後の本籍が分かっている。出生から死亡までの戸籍を集めたい。自分は子で、運転免許証を持参する」と整理します。

この説明をすると、取得できる範囲と不足する資料を相談しやすくなります。窓口でその場に出せる書類の数を保証する例ではありません。資料の状態や自治体の対応によって、確認の進め方は変わります。

5. その日に全部受け取れるとは限らず、窓口の扱いを確認します

この章でわかること 受付場所・時間・交付時期は自治体で確認します。

一つの窓口でまとめて請求できることと、その日に全通数が交付されることは別です。請求する戸籍の内容や、本籍地への確認等によって、交付に時間がかかる場合があります。銀行などの予定を同じ日に詰め込まず、余裕を持って進めましょう。

直近で死亡届などの戸籍届出をした場合は、内容の反映まで日数がかかることがあります。届出をした直後に取得する場合は、必要な記載が済んでいるか確認してください。出雲市の案内も、当日発行できない場合や、直近の届出の記載確認を示しています。

→ 出雲市「広域交付の注意事項」。これは出雲市の具体的案内であり、各自治体の受付方法がすべて同じという説明ではありません。

サービスコーナーでも、取り扱う書類が違う

市役所本庁、支所、休日のサービス窓口などがある場合も、広域交付を同じ範囲で扱うとは限りません。通常の戸籍を交付する窓口でも、広域交付は扱わない日があります。行く場所の案内を確認します。

例えば松江市では、本庁市民課、各支所市民生活課等が案内されています。まつえ市民サービスコーナーは、広域交付で扱うのが戸籍全部事項証明書のみで、土日祝日は広域交付を扱いません。今回は松江市の窓口例です。→ 松江市で広域交付を利用する方

他の窓口を利用する方は、出雲市の広域交付案内、安来市の戸籍窓口案内、米子市の広域交付案内から、受付場所と現在の注意事項を確認してください。

手数料は、実際に交付される種類と通数で決まる

松江市の公表手数料は、戸籍全部事項証明書が1通450円、除籍謄本や改製原戸籍謄本が1通750円です。広域交付を利用しても、すべてを1通分の手数料で取得するものではありません。

出生から死亡までの戸籍が何通になるかは、故人の記録によって違います。「相続用の一式」という言い方でも、複数通になる場合があります。費用の準備に迷うときは、必要な範囲を窓口へ伝え、見込みや支払方法を確認しましょう。

一覧図などの作成依頼や登記の費用とは区別してください。戸籍の公的な取得手数料、郵送費、専門家の報酬は、別の費用です。相続登記の費用の整理は、相続登記の費用と内訳をご覧ください。

窓口で取れなかった戸籍や、請求資格に迷う資料がある場合は、その書類名と家族関係から整理できます。→ 戸籍収集について相談を申し込む

6. 広域交付で取れない分は、本籍地への郵送等に切り替えます

この章でわかること 広域交付の対象外でも、別の取得方法を確認します。

本人が窓口へ行けない、顔写真付き身分証がない、対象外の戸籍がある場合は、本籍地での通常請求へ切り替えます。本籍地が遠方なら、郵送の方法を確認します。「広域交付は郵送できない」と「戸籍を郵送で取得できない」は違います。

郵送請求は、広域交付の窓口へ送るのではなく、本籍地の自治体へ行う方法です。住所資料など、別の証明書を取得する場合は、その証明書の請求先も確認します。

郵送請求で用意するもの

松江市の郵送請求では、交付請求書、手数料分の定額小為替、郵便切手を貼った返信用封筒、氏名と現住所を確認できる本人確認書類の写しが必要です。定額小為替とは、郵便局で扱う送金のための証書です。松江市では、手数料の支払いに切手や収入印紙は使えません。なお、返信用封筒には郵便切手を貼ります。

松江市では、本人確認書類としてパスポートだけでは確認できず、個人への返送先は住民登録の住所です。松江市で親族関係を確認できない場合は、関係が分かる戸籍なども添付します。本人から依頼された任意代理人は委任状、法律に基づいて本人を代理する法定代理人は資格を確認できる書類を添えます。これらは松江市の案内です。必要書類、返送先、本人確認の方法は自治体によって異なるため、請求先の案内を確認してください。

→ 松江市「住民票及び戸籍謄本等の交付申請書」郵送の案内

  1. 取れなかった書類を特定する。 本籍・筆頭者・対象者・必要な期間を控えます。
  2. 本籍地の請求条件を確認する。 郵送用書式、請求理由、添付資料、手数料を確認します。
  3. 請求書と必要資料を送る。 返信先と連絡先も、現在の案内に合わせます。
  4. 返送された戸籍を照合する。 必要期間がつながったかを確認し、不足があれば次の請求先を調べます。

兄弟姉妹の戸籍は、請求理由を示して確認する

広域交付では対象外でも、亡くなった兄弟姉妹の相続人となった方が、本籍地へ通常請求できる場合があります。自己の権利を行使するために戸籍の記載を確かめる必要があることなど、請求理由を示します。

戸籍を提出する先と、提出を求められている理由を具体的に記載します。兄弟姉妹など第三者として相続のために請求する場合は、正当な請求理由に加え、故人と請求者の関係が分かる戸籍の写しなどを求められることがあります。必要な資料は請求先に確認してください。相続人であれば条件の確認なしに誰の戸籍でも取れる、とは考えないようにします。

この請求の考え方と例は、佐賀地方法務局「市区町村における戸籍の記録事項証明書の請求について」に示されています。書類と請求理由が足りるかは、請求先が確認します。

郵送した後も、書類の所在を記録する

請求先、送付日、対象者、請求範囲、同封資料を控えます。確認の電話が来る可能性もあるので、連絡を受けられる番号を記載します。家族と分担する場合は、同じ戸籍を重ねて請求していないか共有します。

返送されたら、申請した範囲と合うかを確認します。添付した確認資料や不足の案内が入っている場合は、戸籍本体と分けて保管してください。転籍前の本籍が判明したら、そこに必要な期間が残っているかを確認し、次の請求を進めます。

7. 取得した戸籍は、故人・相続人・住所資料に分けて整理します

この章でわかること 取れた通数より、必要な範囲のつながりを確認します。

戸籍をたくさん取得できても、そのまま提出用の一式が完成したとは限りません。故人の一連の戸籍、各相続人の現在の戸籍、住所を示す資料へ分けましょう。書類の役割ごとにまとめると、不足しているものが見つけやすくなります。

故人の戸籍には、死亡記載のあるもの、以前の本籍地のもの、改製前のものなどがあります。本籍と筆頭者、戸籍の種類、取得日を一覧にし、どの期間を確認できるかをメモします。原本へ必要のない書き込みをせず、付せんや別紙で管理します。

「最新の戸籍だから十分」と決めない

戸籍が新しい形式に作り替えられたり、婚姻で別の戸籍ができたりすると、以前の記録が現在の戸籍だけにすべて載るとは限りません。相続人の確認には、必要な過去の記録をたどることがあります。

提出先が求める出生から死亡までの範囲がつながったかを確認します。分からないときは、そろっている戸籍を並べて相談してください。相続人の特定と、戸籍をどの方法で取れたかは、別の確認です。

取得方法を分けても、重複と不足を整理する

広域交付で取得した戸籍と、本籍地から郵送された戸籍を一つにまとめます。同じ本籍の似た書類でも、除籍、改製原戸籍、現在戸籍では内容が違う場合があります。名称と対象期間を確かめてから、重複かを判断します。

家族のうち別の方が戸籍を取得した場合は、原本の通数と保管場所を共有します。コピーを参考にしているのか、提出できる原本があるのかも分けましょう。別の手続きへ出している原本を、手元にあると数えないようにします。

手続きの順番を、戸籍が全部そろうまで止めない

戸籍の収集と並行して、財産の確認や提出先の必要資料の確認を進められる場合があります。ただし、財産の処分など、相続放棄の判断に関わる行為は慎重に検討します。書類集めを理由に、期限の確認を後回しにしないでください。

相続の全体の順序は、相続の手続きを始めるとき、最初の1週間でやることで確認できます。戸籍で分かった家族関係と、財産の所在の調査を、別のメモで管理すると説明しやすくなります。

集めた戸籍を複数の手続きで利用したい場合は、法定相続情報証明制度を検討できます。この制度では、戸籍謄本・除籍謄本などを基に、登記官(この手続きで戸籍等を確認する法務局の職員)が相続関係を確認します。確認後、認証文(戸籍等で確認したことを示す文)付きの法定相続情報一覧図の写しを交付します。手続きによっては戸籍の束に代えて使えますが、相続放棄や遺産分割の結果を証明するものではありません。他に必要な資料は提出先へ確認してください。作成が必要かは、手続き先を確認した上で相談します。

取得を依頼する場合は、作業の範囲を確認する

取得済みの資料があるなら、どれが原本で、何が不足しているかを示します。専門家へ依頼する場合も、戸籍収集だけなのか、相続人の確認、一覧図作成、登記まで含めるのかを分けます。依頼範囲によって、必要な作業や費用が変わるためです。

取れるところまで自分で取れば常に一番安い、と断定はできません。重複した取得、請求資格の違い、提出先の条件も含めて比べます。事務所報酬は状況と依頼範囲に合わせた見積りで確認してください。→ 相続のサービス案内を見る/料金案内を確認する

8. よくある質問

この章でわかること 広域交付と通常請求を使い分けます。

Q. 仕事で行けないので、家族に委任状を渡せば取れますか?

A. 広域交付では、委任状による代理人請求はできません。行く家族自身が直系親族等の資格を持つなら、その方の資格で請求するかを確認します。通常の本籍地への請求を代理してもらう場合は、請求先の委任状等の条件に従います。

Q. 顔写真付き身分証明書がありません。資格確認書ではだめですか?

A. 広域交付は、顔写真付きの公的身分証明書での本人確認が必要です。顔写真のない資格確認書等だけでは請求できません。本籍地への通常請求で使える本人確認方法を、その自治体へ確認してください。

Q. 兄の相続人になりました。兄の戸籍を近くの窓口で取れますか?

A. 兄弟姉妹の関係だけでは広域交付の対象外です。自分も同じ戸籍に記載されている場合などは別に確認します。必要な戸籍が対象外なら、本籍地へ相続の目的と必要性を示して通常請求を確認します。

Q. 昔の改製原戸籍は、全部郵送で取らなければなりませんか?

A. 古い年次の戸籍がすべて対象外というわけではありません。コンピュータ化されていない一部の戸籍等は対象外ですが、対象となる記録もあります。窓口で取得できる範囲を確認し、足りない分を本籍地へ請求します。

Q. 1回窓口へ行けば、相続に使う戸籍は全部そろいますか?

A. 1回ですべてそろうとは限りません。請求資格の範囲、対象外の記録、届出の反映、交付に必要な確認によって変わります。取れた資料と不足分を分け、附票や除票など別の証明書も確認してください。

まとめ

  • 広域交付は、本籍地以外で対象の戸籍を取得する方法です。
  • 請求資格のある本人等が、顔写真付き公的身分証を持って窓口へ行きます。
  • 対象外の戸籍、抄本、附票などは、通常請求や郵送等を確認します。
  • 窓口の取扱い、交付時期、手数料は現在の自治体案内で確認します。
  • 取得後は故人・相続人・住所資料に分け、提出先に必要な範囲がそろったかを見直します。

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