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亡くなった親に借金があるか、3か月以内に調べる方法【司法書士が解説】

亡くなった親の借金を郵便物・通帳・登記・信用情報機関で調べる方法

この記事の監修者 司法書士 岩田 剛知(島根県司法書士会 第394号)

最終更新日:2026年9月12日 ※本記事は更新日現在の法令・実務に基づき内容を確認しています。

親が亡くなったあと、見慣れない金融機関から督促状が届いた。そんな経験をきっかけに、亡くなった親に借金がなかったか不安になる方は少なくありません。

借金の有無が分からないままでは、相続放棄をするかどうかも決められません。相続放棄には期限があるため、調べ方を知らずに時間だけが過ぎてしまうこともあります。

自宅で確認できることから、信用情報機関への開示請求、期限に間に合わないときの対応まで、順番に説明します。

この記事のポイント

  • 借金の有無は、郵便物・通帳の確認、不動産の登記の確認、信用情報機関への開示請求を組み合わせて調べます
  • 信用情報機関はCIC・日本信用情報機構(JICC)・全国銀行個人信用情報センターの3社があり、扱う借入れの種類が違うため、調査範囲を広げるには3社を確認します
  • 調べても3か月の期限に間に合わないときは、家庭裁判所に期間を延ばしてもらう申立てができます

お急ぎの方は、まず無料相談でご状況をお伺いします。→ 無料相談の詳細を見る

1. 結論:借金の有無は3つの方向から調べます

この章でわかること 借金を調べる3つの方法と、調査から判断までの流れ

結論から言うと、亡くなった方に借金があるかどうかは、郵便物・通帳の確認、不動産の登記の確認、信用情報機関への開示請求の3つを組み合わせて調べます。

1つだけで確定することはありません。信用情報機関に登録されるのは、消費者金融やクレジットカード、銀行のローンなど、決まった業者からの借入れだけです。個人どうしの貸し借りや、誰かの保証人になっている場合の債務は、信用情報機関を調べても出てきません。

相続の承認や放棄を決める前に、財産を調べておくこと自体は、法律で認められています。

民法第915条第2項
相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。

参考:e-Gov法令検索「民法」第915条

調べる順番は、次のようになります。

  1. 郵便物・通帳・契約書を確認する —— 自宅に残っている書類から、借入れの手がかりを探します。
  2. 不動産の登記事項証明書を取得する —— 実家などに抵当権が設定されていないかを確認します。
  3. 信用情報機関3社に開示請求する —— CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センターへ、それぞれ請求します。
  4. 分かった内容をもとに、相続放棄などを判断する —— 期限に間に合わないときは、家庭裁判所への申立ても検討します。

こんな方は、特に確認しておく価値があります

  • ✓郵便物に、見覚えのない金融機関やカード会社の名前がある
  • ✓亡くなった方名義のクレジットカードが、複数の会社から出てきた
  • ✓離れて暮らしていて、生前の家計の状況をよく知らなかった
  • ✓財産より借金のほうが多いのではと感じ、相続放棄を迷っている
借金を調べる3つの入口 自宅の書類不動産の登記信用情報機関 郵便物・通帳・ 契約書を確認 見るだけなら 処分にはなりません 登記事項証明書で 抵当権の有無が 分かる CIC・JICC・ 全国銀行系の 3社に開示請求 確認は自由。ただし財産を使うと、相続を認めたとみなされます
借金を調べる3つの入口と、調査中に注意することを示した図

次の章から、それぞれの調べ方を順番に説明します。

2. まず自宅で確認する——郵便物・通帳・契約書

この章でわかること 自宅で確認する3つの手がかりと、確認するときの注意点

最初に確認するのは、亡くなった方の自宅に残っている書類です。特別な手続きはいらず、今日から始められます。

確認する対象は、主に次の3つです。

  • 郵便物 —— 金融機関やカード会社からの利用明細、督促状、口座の残高通知
  • 預金通帳 —— 毎月同じ日に引き落とされている入出金がないか(ローンの返済や利息の支払いは、通帳に規則的な記録が残ります)
  • 契約書・書類の束 —— 金銭消費貸借契約書、ローンの契約書、保証人になったときの書類

郵便物は、亡くなった後もしばらく届き続けます。数か月分をまとめて確認すると、忘れていた契約が見つかることがあります。差出人の名前に見覚えがなくても、消費者金融やクレジットカード会社の名前であることが多いため、社名で検索してみるとどんな業種か分かります。

ここで気をつけたいのは、確認する行為そのものは問題なくても、財産に手をつけると相続を認めたことになりかねない点です。

民法第921条(法定単純承認)

次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。

一 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第六百二条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。

参考:e-Gov法令検索「民法」第921条

通帳の記帳や書類の確認は、財産を「処分」したことにはなりません。一方で、預金を引き出して自分の生活費に使ったり、形見以外の家財を売却したりすると、この規定にあたる可能性があります。調べている段階では、財産には手をつけず、確認だけにとどめてください。

亡くなった方の葬儀費用など、社会通念上相当な範囲の支出は扱いが分かれる場合があります。判断に迷う支出があれば、使う前に無料相談でご確認ください。→ 無料相談の詳細を見る

3. 信用情報機関3社に開示請求する

この章でわかること CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センター、3社の違いと開示の手続き

自宅の書類だけでは、亡くなった方が把握していなかった借入れや、書類を紛失した契約までは分かりません。そこで使うのが、信用情報機関への開示請求です。

日本には、性格の異なる信用情報機関が3社あります。1社だけ調べても全部は分かりません。クレジットカード会社が加盟するCICと、消費者金融が中心のJICC。そして、銀行のローンが中心の全国銀行個人信用情報センター(全国銀行協会が運営)です。3社とも、加盟している業種が違います。亡くなった方がどの業種からいくら借りていたかは、請求する前には分かりません。そのため、借入先が分からない場合は、3社すべてを確認すると調査範囲を広げられます。

相続人は、亡くなった方の情報を開示請求できます(法定相続人による開示)。3社とも、窓口ではなく郵送でのやり取りが基本になります。2026年9月3日時点で各機関の公式ページを確認した内容は、次のとおりです。

CIC

主な対象
クレジットカード会社・信販会社

請求できる人
法定相続人

手数料
1,500円(定額小為替)〜1,650円(コンビニ発券)。速達は別途加算

届くまで
申込みから開示報告書の送付まで、通常1週間〜10日程度

JICC

主な対象
消費者金融・クレジット会社

請求できる人
法定相続人または2親等以内の血族。委任を受けた弁護士・認定司法書士も可

手数料
2,177円(税込)。速達2,511円

届くまで
書類到着後7〜10日

全国銀行個人信用情報センター

主な対象
銀行・信用金庫等

請求できる人
法定相続人

手数料
2,403円(開示手数料2,060円+発券手数料343円)

届くまで
通常1週間から10日ほど

共通して準備するもの 被相続人の死亡を証する書類、相続関係を証する書類、請求者本人確認書類、各社所定の申込書。
必要書類の細部は各社で異なるため、請求前に公式案内をご確認ください。

参考:CIC「郵送で開示」/JICC「二親等以内の血族 法定相続人等による開示」/全国銀行協会「郵送による開示手続」

いずれの機関も、法定相続情報一覧図は戸籍一式の代わりに利用できる場合があり、複数の相続手続で戸籍を繰り返し用意する負担を減らせます。法定相続情報一覧図は法務局で発行してもらえる書類です。

3社合わせて、手数料だけで6,000円前後かかります。書類の不備で郵送を往復させないためにも、必要書類は事前にひとつずつ確認しておくと安心です。3社分の書類集めが負担に感じる場合は、戸籍の収集から無料相談でお手伝いできます。→ 相続のご相談について詳しく見る

4. 不動産の抵当権は登記事項証明書で分かる

この章でわかること 不動産に借金の担保が付いていないかを確認する方法

亡くなった方が実家や土地を持っていた場合は、その不動産の登記事項証明書も確認します。住宅ローンや、事業資金の借入れの担保として、不動産に抵当権が設定されていることがあるためです。

登記事項証明書は、不動産を管轄する法務局の窓口やオンラインで、誰でも取得できます。証明書の「権利部(乙区)」という欄に、抵当権や根抵当権の設定が記載されます。ここに記載がなければ、登記された担保はないと分かります。

抵当権が残っていても、それだけで多額の借金があるとは限りません。すでに完済していて、登記だけが消し忘れられている場合もあります。金額の内訳は、抵当権者として登記されている金融機関に確認するか、信用情報機関の開示結果とあわせて見ていくことになります。

名義変更をしないまま実家を空き家にしている場合、抵当権の確認とあわせて今後の方針を考えておくと二度手間になりません。詳しくは誰も住まない実家、名義変更と売却どちらが先かの記事で説明しています。

抵当権の登記が見つかったら、そこに記載されている金融機関へ連絡し、現在の残高を確認します。その抵当権に対応する借入れが完済済みなら、その借入残高はありません。ただし、ほかの債務の有無は別途確認します。登記の内容と、実際の残高が一致しているかを確かめてください。

5. 個人間の借金・保証債務は信用情報に出ない

この章でわかること 信用情報機関を調べても分からない負債があること

ここまでの方法で分かるのは、金融機関やカード会社など、決まった業者からの借入れだけです。個人どうしの貸し借りや、誰かの連帯保証人になっている債務は、信用情報機関には登録されません。

親戚や知人からの借入れは、その相手から連絡が来て初めて分かることが多いのが実情です。保証人になっている場合も同じで、主債務者が返済を続けている間は、督促の書類が届かないこともあります。

自宅の書類の中に、金銭の借用書や保証契約書、連帯保証人として署名した契約書がないかもあわせて確認してください。心当たりのある知人・親戚がいる場合は、失礼のない範囲で状況を尋ねてみるのも一つの方法です。

調べても確信が持てないときは、期限内に判断する方法があります

個人間の借金は調べきれないことがあります。それでも期限は待ってくれません。財産と借金のどちらが多いか分からないまま判断を迫られる場合は、限定承認という、相続で得た財産の範囲内でだけ借金を引き継ぐ方法もあります。限定承認は、相続人が複数いる場合は全員が共同して行う必要があります(民法923条)。ご状況に応じた選び方は、無料相談でご案内します。→ 相続のご相談について詳しく見る

6. 調べても3か月に間に合わないとき

この章でわかること 期限に間に合わないときに使える、期間伸長の申立て

相続放棄を選べる期間は、原則として決まっています。

民法第915条第1項
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。

参考:e-Gov法令検索「民法」第915条

この期間の数え方や、起算点になる「知った時」の考え方は、相続放棄の3か月はいつから数えるかの記事で詳しく説明しています。ここでは、期限に間に合わないと分かったときの対応にしぼって説明します。

条文にあるとおり、3か月の期間は、家庭裁判所への申立てによって延ばしてもらうことができます。これを期間伸長の申立てといいます。信用情報機関3社の開示結果が届くまでに数週間かかることを考えると、確認を始めるのが遅かった場合、期限内に3社分の結果がそろわないこともあります。その場合は、結果を待たずに、期限が来る前に申立てをしておく必要があります。

申立てができるのは、相続人本人のほか、利害関係人や検察官です。申立て先は、亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で、松江家庭裁判所(被相続人の最後の住所地によっては、出雲支部・浜田支部など)が窓口です。申立書のほか、亡くなった方の戸籍謄本や、申立人の戸籍謄本などが必要です。

何もしないまま期限を過ぎると、単純承認をしたものとみなされ、借金も含めてすべて引き継ぐことになります(民法921条2号)。期限が近いと分かった時点で、早めにご相談いただくと選べる対応が広がります。

期限が近いと感じたら、まずここまでの状況をお聞かせください

信用情報機関の結果待ちで期限に間に合わない、財産の全体像がつかめない、というご相談は珍しくありません。無料相談で、今できる対応を一緒に整理します。→ 今の状況を相談する

7. 自分でできること・司法書士に相談したほうがよいこと

この章でわかること 自分で進められる範囲と、司法書士に相談すると進めやすい範囲

ここまでの調べ方の多くは、ご自身で進めることができます。時間はかかりますが、費用を抑えたい場合はご自身で始めていただいて構いません。

自分で進められること・相談すると進めやすいこと

家庭裁判所の手続きでは、申立人はご本人です。司法書士は、その手続きを進めやすくする書類作成のお手伝いをします。

ご自身でできること 司法書士に相談すると進めやすいこと
郵便物・通帳・契約書の確認 調べた内容の整理と、相続放棄の要否についてのご相談
信用情報機関3社への開示請求 戸籍・法定相続情報一覧図の収集
不動産の登記事項証明書の取得 期間伸長の申立書類の作成支援
開示結果の内容確認 相続放棄申述書の作成支援

相続人どうしで意見が対立している場合は、当事務所が窓口となり、提携する弁護士をご紹介します。

費用の全体像は、料金のご案内で確認できます。当事務所の相続放棄のご依頼は、1名あたり税込55,000円(3か月以内の場合)または77,000円(3か月を過ぎている場合)からです。信用情報機関3社の開示結果を待ってから進めたい場合や、期限が迫っている場合は、まずは無料相談でご状況をお伺いします。

8. よくある質問

この章でわかること 開示結果に借金がなかった場合や、費用負担についてのよくある疑問

Q. 信用情報機関3社を調べて何も出てこなければ、借金はないと考えてよいですか

A. 3社に登録されている信用情報は確認できなかった、という意味です。ただし個人間の借金や保証債務のほか、登録対象外の借入れ、保有期間を過ぎた情報、旧姓等による検索漏れの可能性もあります。通帳や書類の確認とあわせて総合的に判断することになります。

Q. 開示請求の手数料や戸籍の取得費用は、誰が負担しますか

A. 費用の負担や相続財産から支払えるかどうかは、相続の状況によって異なるため、個別にご確認ください。相続放棄を検討している場合は、故人の預金から支払う前に専門家へご相談ください。

Q. きょうだいなど、他の相続人の分もまとめて開示請求できますか

A. 開示請求は、請求する相続人ご本人の資格で行います。他の相続人の分が必要な場合は、それぞれの相続人が自分で請求するか、委任状を用意して代理人に依頼する形になります。

Q. 借金が見つかった場合、相続放棄をするしかありませんか

A. そうとは限りません。プラスの財産のほうが多ければ、借金を含めて相続しても問題ないことがあります。財産と借金の全体を把握したうえで、単純承認・限定承認・相続放棄のどれを選ぶかを検討します。

Q. 開示結果に、身に覚えのない借入れが載っていたらどうすればいいですか

A. まずは記載されている契約先へ直接問い合わせて、契約内容や残高を確認してください。なりすましなど、契約に心当たりがない場合もあります。記載内容をそのまま受け止めず、事実関係を一つずつ確かめることが大切です。判断に迷う場合は、開示結果を持って無料相談にお越しください。一緒に内容を確認します。

Q. 相続放棄をすると、借金だけでなく実家などの財産も引き継げなくなりますか

A. そのとおりです。相続放棄は借金だけを選んで手放すことはできず、プラスの財産もあわせて手放すことになります。実家を残したい事情がある場合は、限定承認などほかの選択肢もあわせてご検討ください。

9. まとめ

  • 借金の有無は、郵便物・通帳・契約書の確認、不動産の登記の確認、信用情報機関3社への開示請求を組み合わせて調べます
  • 信用情報機関はCIC・JICC・全国銀行個人信用情報センターの3社があり、加盟業種が違うため調査範囲を広げるには3社を確認します
  • 個人間の借金や保証債務は、信用情報機関を調べても分かりません
  • 調べている間は財産に手をつけないこと。手をつけると相続を認めたとみなされることがあります
  • 期限の3か月に間に合わないときは、家庭裁判所に期間を延ばす申立てができます

まずは自宅の郵便物と通帳の確認から始めてください。手がかりが見つからなくても、信用情報機関への開示請求という次の手段があります。

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岩田司法書士事務所では、初回60分のご相談を無料でお受けしています。相続放棄のご依頼は、1名あたり税込55,000円(3か月以内の場合)または77,000円(3か月を過ぎている場合)からです。戸籍集めから申請まで一括でお任せいただく相続まるごとおまかせプランは、330,000円(税込)からとなります。実費は別途かかります。

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