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賃貸に住む方が亡くなったとき、退去の手続きは誰がするか【司法書士が解説】

賃貸住宅の入居者が亡くなったときの退去手続きを解説する記事のアイキャッチ画像

この記事の監修者 司法書士 岩田 剛知(島根県司法書士会 第394号)

ページ更新日:2026年9月25日 ※法令・料金等は変更されることがあります。個別の事情はご相談ください。

賃貸暮らしをしていた方が亡くなったとき、部屋の契約はどうなるのでしょうか。

賃貸借契約は、借りていた本人が亡くなっても自動的には終わらないのが原則です。契約の内容や相続人の状況を確認し、解約・明渡しの手続きを進めるまで、契約上の賃料などの問題が残ります。

相続人がいる場合は、契約を承継する人が手続きを進めるのが基本です。生前に解除などを委任していれば、受任者が契約で定めた範囲で動く方法もあります。相続人の有無が明らかでない場合や全員が放棄した場合は、家庭裁判所による相続財産清算人の選任を検討します。

まず契約書、相続人の状況、相続放棄の意向を確認してください。誰が解約や家財整理を進められるか、敷金の精算まで順番に説明します。

この記事のポイント

  • 賃貸借契約は死亡だけで自動的に終了するとは限りません。賃借権の承継や契約の解約時期は、契約内容と相続人の状況を確認して進めます
  • 相続放棄を検討している間は、家財の処分の仕方に注意が必要です。片づけ方を誤ると、あとから相続放棄ができなくなることがあります
  • 相続人の有無が明らかでない、または全員が相続放棄した場合は、相続財産清算人の選任を検討します。個別の状況確認が必要です

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1. 結論:契約は自動的に終わらない。契約と相続人の状況を確認します

この章でわかること 契約は死亡だけで終わらず、契約内容と相続人の状況を確認して進めます

通常の居住用建物賃貸借では、借りていた方が亡くなっても、それだけで契約が終わるとは限りません。契約上の地位は、相続財産として相続人に引き継がれるのが基本ですが、契約の種類や個別条項を確認します。

民法には、相続人が引き継ぐ範囲について、次のような定めがあります。

民法第896条
相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。

参考:e-Gov法令検索「民法」第896条

通常の居住用建物賃貸借の賃借権は、亡くなった方だけが持てる一身専属の権利ではありません。財産としての性質を持つため、相続人へ引き継がれるのが基本です。ただし、契約の種類や条項を確認し、相続人が解約などの手続きを進めます。

市営・県営などの公営住宅は、一般の民間賃貸借と同じ扱いとは限りません。使用関係や承継の扱いは制度・条例で異なるため、同居していた家族が住み続けられるか、事業主体(市や県)へ確認してください。

部屋に人が住まなくなっても、契約が直ちに終わるとは限りません。解約の意思表示や退去(明け渡し)の時期、賃料の扱いは契約内容と貸主の案内を確認してください。

「相続放棄をすれば関係なくなる」とは限らない

相続放棄をすると、賃貸借契約を引き継ぐ立場はなくなります。ただし、放棄時に相続財産を現に占有していれば、保存義務が残る場合があります。詳しくは5章で説明します。

2. 賃借権も「相続財産」——相続人が契約上の地位を原則として引き継ぐ

この章でわかること 窓口を決めて動くと、貸主とのやり取りが早く進みます

1章の民法896条のとおり、賃借権は「一切の権利義務」の一部として、相続人にそのまま引き継がれます。売買契約や賃貸借契約のような「契約上の地位」も同じ扱いです。相続人は、亡くなった方が結んでいた契約の借主としての立場を、そのまま受け継ぐことになります。

相続人が複数いるとき、誰が窓口になるか

相続人が複数いる場合、賃貸借契約は相続人全員が共同で引き継いだ状態になります。

連絡窓口を代表者に一本化すると進めやすくなります。ただし、窓口になった人が単独で解約を決められるとは限りません。相続人の意思、必要な同意や書類、貸主・管理会社の手続きを確認してください。相続放棄を迷っている段階なら、解約を申し入れる前に相談しましょう。

誰が窓口になるかを早めに相続人どうしで決めておくと、貸主とのやり取りが一本化され、手続きが早く進みます。

家賃保証会社が入っている場合はどうなるか

近年の賃貸借契約では、連帯保証人の代わりに家賃保証会社を利用しているケースがあります。借主が亡くなった場合に保証契約がどうなるかは、保証契約の当事者・約款・契約の目的によって確認が必要です。賃貸借契約と当然に同じ扱いになると決めつけず、保証会社にも連絡して確認します。

すでに滞納があった場合、保証会社が貸主へ立て替え払いをしていることもあります。その場合、相続人は保証会社からも連絡を受け、立て替えられた金額の扱いについて確認する必要が出てきます。

保証会社の契約内容や、亡くなった後の取り扱いは会社ごとに異なります。契約書や重要事項説明書が見つかれば、まずそこに書かれた連絡先を確認してください。

持ち家の名義変更とは異なり、賃貸では最終的に部屋を貸主へ返すところまでが手続きのゴールです。実家が持ち家の場合の考え方は、こちらで説明しています。→ 誰も住まない実家、名義変更と売却どちらが先か

相続手続き全体の進め方は、こちらでもご案内しています。→ 相続についてのご相談を見る

3. 家財・遺品の整理を進めるときの注意——相続放棄を迷っているなら

この章でわかること 相続放棄を迷っている間は、片づけ方に注意が必要です

家財の整理は権限を確認してから

部屋に残された家具や生活用品(残置物)のうち、亡くなった方の所有物は相続財産に含まれます。相続人が整理を進める場合も、相続放棄を検討していないか、処分してよい権限があるかを先に確認します。

荷物の量が多い場合、遺品整理業者に依頼して搬出や清掃を進める方も少なくありません。業者に依頼する場合も、貴重品や重要書類だけは先に確認しておくと、あとの手続きがスムーズです。

遺品整理業者に依頼するときの注意点

自分たちだけでは片づけきれない量の荷物がある場合、遺品整理業者に依頼する方法もあります。依頼する前に、作業内容と料金の内訳を書面の見積りでもらっておくと、あとのトラブルを防げます。

家庭から出る不用品の収集・運搬は、市区町村の許可や委託を受けた事業者などが担います。遺品整理業者に頼む場合は、整理作業と廃棄物の収集・処分を誰が行うか、自治体のルールに沿うかを確認してください。参考:環境省「無許可の回収業者を利用しないでください」

相続放棄を迷っているなら、勝手に処分しない

ここで注意したいのが、相続放棄をするかどうかまだ決めていない段階での家財の扱いです。相続財産を処分してしまうと、それだけで相続を単純承認したものとみなされる場合があります。

民法第921条第1号
次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。
一 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第六百二条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。

参考:e-Gov法令検索「民法」第921条

単純承認とみなされると、あとから相続放棄をすることができなくなります。プラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産もそのまま引き継ぐことになります。

民法921条は、保存行為を処分から除いています。ただし、清掃や腐りやすい食品への対応も、物の状態や行為の内容によって判断が変わります。家具や貴金属などを売却・廃棄する前に、相続放棄への影響を確認してください。

相続放棄を検討しているなら、家財を本格的に片づける前に、対象になる範囲を確認しておくことをお勧めします。相続放棄の期限については、こちらでも詳しく説明しています。→ 相続放棄の3か月はいつから数える?

相続放棄を検討している間に家財を処分すると、あとから相続放棄ができなくなる場合があります。片づけを始める前に、対象になる範囲を確認しておくと安心です。→ 無料相談で確認する

4. 敷金の精算と退去までの流れ——連絡から鍵の返却まで

この章でわかること 賃料の扱いは契約・解約日・明渡しを確認し、敷金は退去後に精算します

賃料は誰が払うのか

解約が成立するまでの賃料は、契約内容に応じて発生し得ます。誰がどの範囲を負担するかは、相続人が相続放棄を検討しているか・放棄が受理されたか、賃貸借契約や保証契約の内容、滞納の有無などを確認する必要があります。相続財産から一律に支払う債務と決めつけず、貸主や保証会社にも確認してください。

期間の定めがない建物賃貸借については、法律上、解約の申し入れから一定の期間を経て契約が終了するとされています。契約期間や予告期間が定められている場合は、まず契約書を確認します。

民法第617条第1項(1号・3号は省略)
当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合においては、次の各号に掲げる賃貸借は、解約の申入れの日からそれぞれ当該各号に定める期間を経過することによって終了する。

二 建物の賃貸借 三箇月

参考:e-Gov法令検索「民法」第617条

借主側が期間の定めのない建物賃貸借を解約する場合、民法617条では申入れから3か月が原則です。すべての契約に一律に当てはまる期間ではありません。契約書の予告期間や合意解約の扱いを貸主・管理会社に確認してください。

退去までの実際の流れ

  1. 貸主・管理会社へ連絡する —— 亡くなった事実を伝え、契約内容、解約に必要な人・書類、退去期限を確認します。相続放棄を検討中なら、解約の申し入れ前に相談してください。
  2. 残置物を搬出し、部屋を空にする —— 3章で触れた家財・遺品の整理を済ませます。相続放棄を検討中なら、処分してよい範囲を先に確認します。
  3. 明渡しをし、鍵を返却する —— 貸主や管理会社の立会いのもと、部屋の状態を確認し、返却方法を確認します。
  4. 敷金を精算する —— 未払賃料や原状回復費用などを確認し、残額があれば返還先を確認します。

敷金の返還と原状回復の扱い

敷金は、未払賃料や原状回復費用などを差し引き、残額があれば返還されます。返還先は相続人の有無や相続放棄の状況などによって確認が必要です。民法上、敷金は賃貸借が終了し、かつ部屋を貸主に返還した時点で返還義務が生じるとされています(民法622条の2第1項)。

参考:e-Gov法令検索「民法」第622条の2

鍵の返却だけで法的な条件が決まるわけではありません。賃貸借が終了し、賃貸物を返還したことが敷金精算の前提です。終了日や明渡しの扱いは、契約書と貸主・管理会社の案内で確認してください。

原状回復の範囲は、国土交通省のガイドラインが目安になっています。おおまかな考え方は次のとおりです。

傷み・汚れの種類 負担者の目安
経年劣化・通常の使用による傷み(日照による変色、家具の設置跡など) 貸主
通常の使用を超える損傷(タバコのヤニ汚れ、手入れ不足によるカビなど) 借主側。承継・放棄の状況を確認

実際の負担額は、損傷の原因や経過年数、契約書の特約などを踏まえて確認します。精算前に見積りの内訳を確認してください。参考:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」

5. 相続放棄をした場合、賃貸借契約からも離脱できるか

この章でわかること 放棄をしても、占有していた財産には一時的な義務が残ります

相続放棄をすれば、契約を引き継ぐ立場そのものはなくなる

相続放棄をすると、その相続人は初めから相続人でなかったものとして扱われます。賃貸借契約を引き継ぐ立場も、放棄によってなくなります。

相続人全員が相続放棄をすると、賃貸借契約を引き継ぐ人がいなくなります。ここでいう「全員」は、先順位の相続人だけでなく、次順位の相続人が相続人となる場合も含めて確認します。契約自体がなくなるわけではなく、引き継ぐ相手がいない状態になる、という点に注意してください。

相続人の一部だけが相続放棄した場合はどうなるか

相続人が複数いて、一部の人だけが相続放棄をした場合、賃貸借契約は放棄しなかった相続人が引き継ぎます。放棄した人は、契約からも外れることになります。

先順位の相続人が全員放棄すると、次の順位の人が新たに相続人になる場合があります。次順位以降も含め、相続人が確定したか、全員が放棄したかは戸籍と相続放棄の受理状況などで確認が必要です。

放棄した人にも、一時的な保存義務が残ることがある

ただし、相続放棄をした人でも、放棄の時点で相続財産を現に占有している場合は、次の管理者へ引き渡すまで保存義務が残ることがあります(民法940条1項)。鍵や荷物を誰が管理しているかなど、占有の有無は個別に判断されます。

参考:e-Gov法令検索「民法」第940条

「その部屋に住んでいたことがある」だけで、直ちに940条の義務が決まるわけではありません。放棄の時点で現に占有していたか、鍵や荷物を誰が管理していたかなどを確認します。

保存義務の中身は、「自己の財産におけるのと同一の注意」で財産を保存することです。積極的に部屋を片づけたり、代わりに解約の手続きを進めたりする義務までは求められていません。

急ぎの対応だけを先に行いたい場合

相続財産を保存する必要がある場合は、家庭裁判所に相続財産の管理人の選任を申し立てる方法もあります(民法897条の2第1項)。誰が申し立てられるか、選任が必要かは個別に確認します。

参考:e-Gov法令検索「民法」第897条の2

6. 相続人がいない場合——相続財産清算人の選任と、生前の備え

この章でわかること 相続人がいない場合は、清算人の選任が必要かを確認します

相続財産清算人の選任が必要になる場合

相続人の有無が明らかでない場合や、次順位以降を含めて相続人全員が相続放棄をした場合、解約を進める人を確認する必要があります。

この場合、利害関係人などが家庭裁判所に相続財産清算人の選任を申し立てる方法があります。誰が申し立てるか、清算人の選任が必要か、どの手続きを進められるかは、相続人の有無・放棄の状況・財産の内容を踏まえて確認します。

参考:裁判所「相続財産清算人の選任」

民法第952条第1項
前条の場合には、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、相続財産の清算人を選任しなければならない。

参考:e-Gov法令検索「民法」第952条

請求できるのは「利害関係人又は検察官」です。賃料を受け取れず、部屋も返してもらえない貸主も、この利害関係人にあたると考えられています。ただし、条文に貸主を名指しした規定があるわけではなく、実務上の一般的な理解にとどまります。

相続財産清算人が選任された場合、その権限の範囲で賃貸借契約や残置物、費用の精算を整理します。解約・明渡しまでの具体的な進め方や費用の扱いは、裁判所の手続きと契約内容を確認する必要があります。

状況 誰が動くか 必要になる手続き
相続人がいる 相続人(代表者は連絡窓口) 相続人の意思と契約を確認し、解約・退去・敷金精算を進める
次順位以降を含む相続人全員が相続放棄 選任された清算人。放棄した人に保存義務が残る場合もある 利害関係人などが清算人選任の申立てを検討する
相続人の有無が明らかでない 選任された相続財産清算人 清算人の権限と裁判所の手続きに沿って解約・退去等を整理する

生前に「死後事務委任契約」で決めておく方法もあります

ここまでの手続きは、いずれも本人が亡くなったあとに、相続人や家庭裁判所が動く形です。身寄りがない方や、相続人に負担をかけたくない方は、生前に備えておくこともできます。

死後事務委任契約を結ぶ場合でも、何を委任するかを具体的に定め、貸主・管理会社との関係や契約上の権限を確認する必要があります。国土交通省・法務省のモデル契約条項は、解除委任と残置物処理委任を分けています。法令で一律に使うことが義務づけられたものではありません。敷金の精算・受領を含められるかも、委任範囲や貸主との調整を個別に確認します。契約でどこまで頼めるかは、こちらで詳しく説明しています。→ 死後事務委任契約とは? 頼めること・費用・遺言との違い

相続人に任せる場合と、死後事務委任契約で備えておく場合の違いを整理すると、次のようになります。

相続人に任せる場合 死後事務委任契約で備える場合
誰が動くか 相続人(複数いれば代表者を決める必要がある) 委任範囲と権限を定めた受任者
動き出すタイミング 相続人が事情を把握し、話し合ってから 死亡の連絡後、契約で定めた範囲で動く
相続人の負担 解約の申し入れ・鍵の返却・家財整理を相続人が担う 受任者が進められる範囲を確認し、貸主等との調整や財産の引渡しを行う

こんな方は、賃貸の解約まで生前に決めておく価値があります

  • ✓一人暮らしで、身寄りが少ない
  • ✓相続人が遠方に住んでいて、すぐには動けない
  • ✓相続人が高齢で、契約や敷金精算の手続きに不安がある
  • ✓誰が窓口になるか、家族の間で決まっていない

相続人だけに任せず、生前に備えておくこともできます

死後事務委任契約には、賃貸に関する具体的な事項を書いておけます。ただし、委任できる範囲や貸主・管理会社との調整が必要です。

  • 賃貸借契約の解約の申し入れと、貸主・管理会社とのやり取り(権限と同意の要否を確認)
  • 鍵の返却と、残置物(家財・遺品)の処分の範囲
  • 敷金精算に関する連絡・受領を委任に含めるか、貸主との取扱いを確認

まとめてご相談いただけます。→ 終活サポートのご案内を見る

生前対策全体の考え方は、こちらでも説明しています。→ 生前対策とは? 何から始めればよいか

7. よくある質問

この章でわかること 相続放棄後の義務、片づけの注意、保証会社の扱いを答えます

Q. 相続放棄をすれば、賃貸の解約をしなくてよいですか?

A. 相続放棄をすると、賃貸借契約を引き継ぐ立場そのものはなくなります。ただし、放棄の時点で財産を現に占有していた場合は、相続財産清算人など次の管理者に引き渡すまで保存義務が残ることがあります(民法940条1項)。「その部屋に住んでいたことがある」だけで決まるわけではないため、鍵や荷物の管理状況を確認してください。相続放棄には期限があるので、あわせて確認しておいてください。→ 相続放棄の3か月はいつから数える?

Q. 賃料はいつまで発生し続けますか?

A. 契約が正式に終了するまでの賃料などの扱いは、契約内容、解約の意思表示、明渡しの時期によって変わります。早めに貸主へ連絡し、解約日・退去日・片づけの期限を確認してください。手続きが早ければ負担が軽くなる場合がありますが、負担がいつ止まるかは貸主との確認が必要です。

Q. 相続放棄を迷っている間に、荷物を片づけてもよいですか?

A. 単純な清掃や腐りやすい食品の処分は、保存行為と評価される場合がありますが、具体的な行為や財産の状態によって判断が分かれます。家具や貴金属など価値のありそうな家財を売却・廃棄すると、相続を単純承認したとみなされ、あとから相続放棄ができなくなることがあります(民法921条1号)。迷う場合は、片づけを本格化させる前に対象を確認してください。

Q. 家賃保証会社が入っている場合、相続人は何をすればよいですか?

A. 保証契約がどうなるかは、保証契約の当事者・約款・契約の目的によって異なります。賃貸借契約と当然に同じ扱いになると決めつけず、滞納の有無を含め、貸主と保証会社の連絡先、契約書や重要事項説明書を確認してください。

Q. 独身で子どももいない場合、誰が手続きをすることになりますか?

A. 配偶者や子どもがいなくても、親や兄弟姉妹など、戸籍をたどると相続人が見つかることは少なくありません。誰も見つからない場合や、見つかった相続人全員が相続放棄をした場合は、相続財産清算人の選任を申し立てる方法が問題になります。選任の要否や申立ての進め方は個別に確認します。→ 独身の方の相続は誰に渡るのか?

8. まとめ

  • 賃貸借契約は、借りていた方が亡くなっても自動的には終わらないのが原則
  • 賃借権の承継や解約時期は、契約内容と相続人の状況を確認して進める
  • 相続放棄を迷っている間に家財を処分すると、単純承認とみなされることがある
  • 敷金は、賃貸借が終了し、賃貸物を貸主に返還した時点で返還義務が生じる
  • 相続放棄をしても、相続財産を現に占有していた場合は一時的に保存義務が残ることがある
  • 相続人がいない・全員が放棄した場合は、必要に応じて相続財産清算人の選任を申し立てる
  • 死後事務委任契約を結ぶ場合も、委任範囲や貸主との調整を確認しておく

まずは賃貸借契約書を確認し、誰が窓口になるかを決めるところから始めてください。

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判断に迷ったときは

賃貸借契約の解約は、荷物の片づけと同時に進めることが多く、一人で抱え込むと負担が大きくなりがちです。

「うちの場合、賃貸の解約は誰がすることになるのか」というご相談だけでも構いません。手元に契約書や貸主・管理会社の連絡先があれば、ご用意ください。見つからない場合も、その旨をお伝えください。

岩田司法書士事務所では、初回60分のご相談を無料でお受けしています。松江市・安来市・出雲市・米子市を中心に、島根県・鳥取県全域に対応。オンライン相談で全国からのご依頼も承ります。詳しい料金は料金のご案内でもご確認いただけます。

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