監修者 司法書士 岩田 剛知(島根県司法書士会 第394号)
ページ更新日:2026年11月1日 一般的な手続きの解説です。個別のご事情によって必要な対応は異なります。
親が亡くなった後の預貯金は、金融機関の相続手続きを通じて受け取ります。通帳とキャッシュカードが手元にあっても、それだけで相続の手続きが済むわけではありません。
まず金融機関へ連絡し、遺言や遺産分割協議書の有無を伝えます。その内容によって、誰が手続きし、何の書類を出すかが変わります。
死亡の連絡、必要書類の準備、払戻しの順番を説明します。親が生きている間の通帳管理とは分けて、死亡後の預貯金の承継を扱います。
この記事のポイント
- 金融機関ごとに相続の窓口へ連絡し、必要書類の案内を受けます。
- 遺言、協議書、裁判所の書類の有無で、提出書類と手続きする人が変わります。
- 分け方が未確定でも、一定の条件で遺産分割前の払戻しを利用できます。
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1. 死亡後の預金は、取得者を確認して払い戻す
この章でわかること 通帳を持つ人と、預金を取得する人は同じとは限りません。
預貯金の相続手続きとは、亡くなった方の預貯金を、権利のある人へ承継する手続きです。金融機関は戸籍、遺言、協議書などで、手続きする人と取得する内容を確認します。親の通帳を預かっていた人が、自動的に全額を取得するわけではありません。
家族の一人が銀行との連絡役になることはあります。その人を代表者として扱っても、財産の分け方まで単独で決められるとは限りません。連絡窓口、払戻金の受取人、最終的な取得者を分けて考えましょう。
必要書類は、遺言や協議書の有無と金融機関によって変わります。亡くなった方の戸籍や全員の印鑑証明書を、どのケースでも一律にそろえるものではありません。先に自分の相続方法を伝え、案内を受けます。
相続に必要な書類は、遺言の有無や相続人の状況、取引内容などで変わります。利用する方法が決まったら、提出先から最新の書類案内を受け取って確認してください。
口座の停止と、財産の消滅は違う
死亡の連絡を受けた金融機関は、口座の入出金を停止するなどの対応を取ります。一般に口座凍結と呼ばれるものです。預金が失われるという意味ではなく、相続の確認に基づく手続きへ移ることになります。
死亡の連絡後は、口座の入出金が停止されることがあります。停止の対象や時期、引落しの扱いは金融機関や取引内容によって異なるため、取引先で確認してください。
死亡届の提出と、銀行への連絡は別の手続きです。役所の手続きを済ませただけで、銀行への相続手続きが完了するわけではありません。金融機関の死亡連絡窓口を確認し、自分で連絡する手順を整理します。
キャッシュカードで操作できる間に引き出しておく、という進め方は避けてください。誰の預金で、誰が取得するかの確認が必要です。相続人間の説明や相続放棄の判断にも影響するため、先に手続きの方法を確認します。
生前の通帳管理の記録を確認したい方は、親の通帳を家族が管理するときの記録の残し方をご覧ください。ここから先は、親が亡くなった後の承継を扱います。
2. 金融機関へ連絡し、口座と支払い予定を整理する
この章でわかること 口座一覧と連絡記録を作り、止まる支払いも確認します。
連絡する前に、分かる範囲の資料を集める
通帳、証書、キャッシュカード、郵送された取引明細を集めます。金融機関名、支店名、口座の種類、番号を一覧にします。亡くなった方の氏名と死亡日、連絡する人の関係も整理してください。
複数の支店に取引がある場合は、同じ金融機関の欄にまとめます。普通預金と定期預金も分けて記録します。金融機関名が変わっている場合は、現在の取引先へ確認します。
通帳が見つからない場合でも、口座がないと決めないようにします。銀行から届いた郵便物や振込先の記録など、確認できる資料を整理します。亡くなった方の取引を調べる方法と必要書類は、金融機関に問い合わせます。
預金だけでなく、借入れや貸金庫、投資信託などの取引も伝えます。同じ窓口で案内を受けられても、商品ごとの手続きが変わる場合があります。預金の解約と一緒に全部終わると思い込まないでください。
死亡の連絡は、公式窓口を使う
銀行の公式サイトで、相続の窓口や連絡方法を確認します。電話、店舗、専用フォームなど、案内された方法で進めます。検索結果にある第三者の連絡先を、銀行の窓口と取り違えないようにします。
連絡した日、担当窓口、次に届く書類をメモします。複数の相続人が別々に連絡すると、何が済んだか分からなくなることがあります。窓口を担当する人を決め、案内を相続人間で共有します。
死亡の連絡と必要書類の準備は、別の段階になることがあります。遺言や取引内容の確認方法、必要書類の案内は金融機関ごとに異なります。最初の連絡だけで申請が完了したと考えず、次に必要な手順を確認してください。
公共料金などの引落し先を確認する
亡くなった方の口座から、家族が住む家の公共料金などが引き落とされている場合があります。入出金の停止後に、支払い方法の変更が必要になることがあります。銀行の相続手続きと、各契約先の変更手続きを分けて整理してください。
公共料金や家賃などの引落し予定がある場合は、契約先へ口座変更の方法を確認します。支払日、契約名義、代わりの支払い方法を整理してください。家族が立て替えた分は、領収書や送金記録を残しておきます。
死亡後の入金予定がある場合も、取引先へ確認します。振込元、対象期間、返還などの可能性を確かめます。入金があったからすべて相続財産として分けてよい、と自己判断しないようにします。
葬儀の支払いが迫っている場合は、必要な金額と期限を別に整理します。相続預金がいくらあるかと、すぐ使える資金がいくらあるかは違います。分割前の払戻しが使えるかは、5章で説明します。
3. 遺言と協議書の有無で必要書類を分ける
この章でわかること どの書類を根拠に払い戻すか、最初に伝えます。
| 相続の状況 | 主な確認資料 | 金融機関へ伝えること |
|---|---|---|
| 遺言書がある | 遺言書、死亡確認の戸籍、必要な印鑑証明書など | 遺言の種類、取得者、遺言執行者の有無 |
| 遺産分割協議書がある | 協議書、相続関係を確認する戸籍、印鑑証明書など | 対象預金と取得者、手続きする代表者 |
| 遺言・協議書がない | 戸籍、金融機関所定の相続届、印鑑証明書など | 全員での合意状況と、希望する承継方法 |
| 調停・審判で決まった | 調停調書・審判書、必要な確定証明書など | 預金に関する決定内容と取得者 |
表は、必要書類の役割を整理したものです。提出書類の全項目は、各金融機関の案内で確認します。所定の届出書、本人確認、原本の取扱いなども確かめてください。
遺言や相続人の合意状況によって、必要書類と署名する人は変わります。個別の提出先に、使える手続きと必要書類を確認してください。
遺言がある場合は、全文を示して確認する
遺言の一部分だけでなく、対象預金や遺言執行者の指定などを確認します。遺言執行者は、遺言の内容を実現する手続きを行う人です。指定されている場合は、誰が銀行と手続きを進めるかを確認します。
遺言があるときに、相続人全員の署名がどのケースでも必要とは限りません。一方、遺言を持参すればどんな内容でも直ちに払い戻せるわけではありません。必要な戸籍や印鑑証明書、遺言執行者の資格を示す書類を確認します。
自宅で保管していた自筆証書遺言は、原則として家庭裁判所の検認が必要です。検認は、遺言書の状態を記録して偽造などを防ぐ手続きです。遺言が有効か無効かを決定する手続きではありません。
公正証書遺言と、法務局で保管されている自筆証書遺言は、検認が不要です。保管している旨の通知だけでは、遺言の内容を確認できません。遺言書情報証明書など、必要な資料を用意します。
参考:裁判所「遺言書の検認」、法務省「自筆証書遺言書保管制度・証明書について」
遺言の種類を確かめるには、自筆証書遺言と公正証書遺言の違いをご覧ください。効力や意味について意見が分かれる場合は、先にその問題を整理します。
協議書がある場合は、対象の口座と取得者を照合する
協議書に書かれた金融機関、支店、口座番号を資料と比べます。誰がその預金を取得する内容なのかも確認します。別の口座だけを分けた協議書を持参しても、今回の預金の取得者は確定できません。
手続きを代表する人が受け取り、その後に相続人へ分配する場合もあります。金融機関の受取方法と相続人間の合意を、同じものとして扱わないようにします。最終的な分配の内容を、書面と記録で確認できる形にします。
協議書がない場合も、銀行所定の書面で進むケースがある
遺言や遺産分割協議書がない場合も、金融機関所定の相続届などで手続きを進められることがあります。協議書という名前の文書がないことだけで、手続きが不可能とは限りません。使える方法と署名する人を、提出先に確認してください。
ただし、全員の合意がない状態で、一人だけが全額を受け取れるという意味ではありません。話し合いが終わっていなければ、通常の払戻しと分割前の払戻しを分けます。希望する方法と必要な署名を、銀行へ具体的に確認してください。
4. 戸籍と印鑑証明書は、各金融機関の条件に合わせる
この章でわかること 何のための資料かを分け、提出条件を確認します。
戸籍は、亡くなった事実と相続人の関係を確認する資料です。必要な範囲は、遺言の有無などによって変わります。協議に基づく場合は、出生から死亡までのつながった戸籍などを求められます。
親が亡くなったと分かる戸籍一通だけで、相続人全員を確認できるとは限りません。結婚や転籍前の戸籍も確認します。兄弟姉妹が相続人になる場合などは、別の家族の戸籍が必要になることもあります。
取得した戸籍は、古い順に並べて確認状況を記録します。どこから取り寄せたか、何がまだ足りないかをメモします。銀行へ出す前に、戸籍の束全体の控えも残しておきましょう。
法定相続情報一覧図を使うか検討する
法定相続情報証明制度では、戸籍に基づく相続関係を法務局が確認します。認証文を付けた一覧図の写しが、相続手続きに利用できます。複数の金融機関に戸籍の束を出す場合の負担を減らす方法です。
最初に必要な戸籍を集める作業がなくなる制度ではありません。また、一覧図は遺産分割の結果や相続放棄まで証明する資料ではありません。協議書など、別の書類が必要かを確認してください。
利用先の銀行が一覧図をどう扱うかは、取引先の案内で確認します。相続人の住所が分かる資料などを別に求められる場合もあります。一覧図だけ一枚持てば、全手続きが終わるとは考えないようにします。
参考:法務局「法定相続情報証明制度について」、同制度の具体的な手続・利用先書類の確認
印鑑証明書の必要な人と発行時期を確認する
印鑑証明書は、誰のものを提出するかがケースで変わります。全員の合意で進める場合と、遺言による場合などを区別します。相続人全員分を先に集めればよい、という準備は避けます。
発行日からの条件も、金融機関の案内で確認します。印鑑証明書の発行時期や必要な人も、金融機関・取引内容・相続方法によって異なります。申請時には、提出先からの案内で確認してください。
登記で使える書類が、そのまま同じ条件で銀行でも使えるとは限りません。提出先、必要な原本、発行時期を一覧にします。取得し直しを減らすため、印鑑証明書は案内を受けてから集める方法も考えます。
原本の返却と、複数銀行の順番を確認する
戸籍や遺言書などの原本を、どの段階で返却してもらえるか確認します。銀行によっては郵送で原本を確認する手順があります。送る前に控えを残し、返却を希望する資料も伝えてください。
一つの銀行へ全部の原本を送ると、別の銀行の申請が待ちになる場合があります。原本返却の流れを確認して、提出の順番を決めます。必要以上の通数を取る前に、一覧図の利用も含めて考えましょう。
5. 分割前の払戻し制度は、上限と後日の精算を確認する
この章でわかること 払戻せる額は、残高・法定相続分・金融機関の上限で決まります。
分け方がまだ決まらなくても、一定額を相続人が単独で払い戻す制度があります。葬儀費用や生活費など、当面の支払いに対応するための制度です。通常の解約手続きとは区別して、窓口へ利用を申し出ます。
家庭裁判所の判断を経ない制度では、相続開始時の預金額を基礎にします。口座ごと、定期預金なら明細ごとの額に、3分の1と申請する人の法定相続分を掛けます。申請する相続人一人につき、同じ金融機関からの払戻しは150万円が上限です。
法定相続分は、法律で定められた相続人の割合です。同じ金融機関で支店が違っていても、その相続人の上限は全支店を合わせて考えます。各支店からそれぞれ150万円ずつ受け取れる制度ではありません。
参考:法務省「相続法の改正」遺産分割前の払戻し制度、e-Gov法令検索「民法」909条の2
| 架空の前提 | 計算 | 確認すること |
|---|---|---|
| 一口座の残高300万円、申請者の法定相続分2分の1 | 300万円×1/3×1/2=50万円 | 残高と法定相続分の確認が必要 |
| 同じ銀行に複数口座があり、申請者一人の計算額合計が180万円 | 金融機関単位の上限により150万円まで | 別支店の口座も合算して確認 |
※上の表は、一人の相続人が申請する場合の架空の計算例です。実際のお客様の事例ではありません。請求できる額は、相続関係、預金内容、既に利用した額などを金融機関へ確認します。
手元に戸籍がなくても、すぐに引き出せる制度ではない
制度を使う際にも、本人確認や相続関係を示す書類が必要です。出生から死亡までの戸籍、相続人の戸籍、申請する人の印鑑証明書などが案内されています。必要書類は取引先へ確認します。
提出後には、内容確認のための時間がかかります。支払い当日に窓口へ行けば、その場で受け取れると決めないでください。支払期限が近い場合は、その日付を窓口へ伝えて見通しを確認します。
遺言の内容などによって、利用できない場合もあります。遺言で預金を取得する人が決まっている場合は、払戻し制度を使えないことがあります。遺言があることを窓口へ伝えてください。遺言に基づく手続きとの関係を確認します。
受け取ったお金は、後の遺産分割で調整する
先に払い戻した額は、後日の遺産分割で調整されます。最終的な取り分と別に、追加でもらえるお金ではありません。払戻日と金額、支払いに使った内容を記録してください。
葬儀費用に使った場合も、その領収書などを保管します。相続人間で誰が負担するかは、払戻しの利用だけで確定するものではありません。受取額、使途、後の精算を分けて説明できるようにします。
この制度とは別に、家庭裁判所の判断による仮払いもあります。遺産分割の調停・審判が申し立てられているなど、条件があります。銀行で単独請求する制度と同じ準備で使えるとは考えず、必要性と手続きを確認します。
相続放棄を検討している場合は、払戻しの前に相談してください。預金を使うことが相続する判断とどう関係するか、個別に確認が必要です。相続放棄の期間と注意点も参照してください。
必要な支払いと、使える制度が整理できていない段階でもご相談いただけます。当面の支払いと相続手続きについて相談を申し込む
6. 書類の提出から、入金と分配の確認まで進める
この章でわかること 銀行への提出と、相続人間の分配完了を分けて確認します。
預貯金の相続の進め方
- 死亡と取引内容を伝える —— 公式の相続窓口で必要書類の案内を受けます。
- 相続方法と取得者を確認する —— 遺言、協議書、裁判所の書類を確認します。
- 戸籍と所定の書面を用意する —— 原本や印鑑証明書の条件を確認します。
- 提出して不備に対応する —— 控えを残し、連絡内容を記録します。
- 払戻しと分配の結果を確認する —— 入金、手数料、返却書類、相続人への送金を照合します。
金融機関の届出書は、その銀行が指定したものを使います。別の銀行の書式や、古い書式を流用しないようにします。署名する人と実印を押す人を、案内に従って確認してください。
受取口座は、名義、金融機関、支店、口座番号を照合します。受取人が確定しているのか、代表者が受け取るのかも確認します。数字の誤りだけでなく、協議内容との食い違いがないか見ましょう。
郵送前には、提出書類の一覧と控えを作ります。原本を預かっている相続人の名前も記録します。発送日と追跡できる番号を残し、返却予定の資料が全部戻ったかを確認します。
不備の連絡を受けたら、対象と直し方を確認する
不足している戸籍の時期、書面の訂正箇所、印鑑の不一致などを具体的に確認します。分からないまま同じ書類を再送しないでください。必要な人と内容が変わる場合は、相続人間にも共有します。
相続人の追加が判明した場合は、署名欄だけ足して終わりにできるとは限りません。合意の前提から見直す必要があります。事情が変わったら、遺言や協議書の内容も含めて確認します。
完了通知と実際の入金を照合する
完了の通知を受けたら、指定した口座への入金を確認します。払戻額、利息、控除された手数料などを見比べます。振込先と金額が予定と違うときは、通知を保管して金融機関へ確認します。
代表者が受け取った場合は、その後の分配を合意どおりに進めます。誰へ何を送金したか、振込記録を残します。銀行の手続き完了と、相続人間の分配完了は別に記録します。
通帳、証書、キャッシュカードなどをどう扱うかも確認します。資料が返却された場合は、完了書類と一緒に保管します。金融機関の手続きに必要な期間が終わる前に、元資料を処分しないようにします。
不動産も相続している場合は、銀行の払戻しと別に登記が必要です。期限の確認は、相続登記の3年ルールを参照してください。銀行が終わったから相続全体が終わった、と判断しないことが大切です。
7. 自分で進める準備と、相談したいケースを分ける
この章でわかること 資料と相続関係を整理し、依頼したい作業を明確にします。
| 確認する点 | 自分で進める準備 | 相談したい状態 |
|---|---|---|
| 相続関係 | 必要な相続人を戸籍で確認できる | 数次相続、放棄、未成年などの判断が必要 |
| 遺言・協議 | 取得者と対象預金が明確 | 内容に疑問や対立がある |
| 金融機関 | 取引先と必要書類を一覧にできる | 取引先不明、複数商品、借入れがある |
| 時間と連絡 | 郵送や窓口、不備の連絡へ対応できる | 支払いが迫る、遠方、対応時間が取れない |
自分で進める場合は、銀行ごとの案内を一つの表にまとめます。必要書類、請求中の資料、提出日、完了日を記録します。家族間で同じ表を見れば、重複した請求や連絡を減らせます。
相続人が一人でも、死亡と相続関係の証明は必要です。複数いる場合も、関係と合意が明確なら自分で進める準備ができます。人数だけを、依頼するかどうかの唯一の基準にしないでください。
連絡が取れない相続人がいる場合は、その人を外して署名を集めないようにします。相続人全員の合意が必要な手続きと、単独の払戻し制度は別です。連絡不能の相続人がいる場合を確認してください。
未成年者がいる場合は、誰が代理するかを先に確認します。親と子が同じ協議に参加する場合などには、利益の対立が問題になります。未成年者の相続と特別代理人へ進んでください。
相談時は、進行状況も一緒に伝える
死亡の連絡が済んだ銀行と、まだ連絡していない銀行を分けます。受け取った必要書類の案内、集めた戸籍、作成中の書面を整理します。既に払戻しを受けた場合は、その額と使途も伝えます。
何を頼みたいかも分けて考えます。相続人の確認、書類収集、協議書の作成、金融機関での承継手続きなどです。依頼範囲と金融機関数などを確認して、見積りを受けます。
当事務所の相続支援は、預貯金を含む相続手続きのご案内で確認できます。必要な作業は取引内容や状況によって変わります。費用について、詳しくはお問い合わせください。
交渉や裁判が必要な場合は、当事務所が窓口となり、提携する弁護士をご紹介します。税額の計算や申告は、提携する税理士が担当します。家庭裁判所の手続きでは、司法書士は申立書類の作成などを支援します。
8. 預貯金の相続についてよくある質問
この章でわかること 書類、仮払い、完了時期の思い違いを確認します。
Q. 通帳があれば、家族がそのまま預金を下ろせますか?
A. 通帳を持っていることだけでは、預金の取得者は決まりません。銀行へ相続の連絡をし、遺言や合意に応じた手続きを確認します。口座がまだ操作できることと、単独で取得できることを混同しないでください。
Q. 相続人全員の印鑑証明書が必要ですか?
A. 相続方法と金融機関によって変わります。遺言がある場合などは、全員の証明書が一律に必要とは限りません。誰の証明書を、いつ発行したものとして提出するかを、取引先へ確認します。
Q. 遺産分割協議書がないと解約できませんか?
A. 銀行所定の相続届などで、必要な相続人の合意を示すケースがあります。ただし、全員の合意がなくても通常の全額払戻しができるという意味ではありません。希望する方法と署名する人を、窓口へ確認してください。
Q. 仮払いは、どの口座でも150万円を受け取れますか?
A. 150万円は、申請する相続人一人につき同じ金融機関の全支店を合わせた上限です。実際の額は口座ごとの相続開始時残高と法定相続分を使って計算します。計算額が小さければ上限額まで受け取れるわけではなく、利用条件や書類の確認も必要です。
Q. 銀行の相続手続きは何日で終わりますか?
A. 一律の日数では決まりません。相続関係、書類の不足、金融機関や商品によって変わります。支払いに期限がある場合は先に伝え、提出から入金までの見通しを窓口で確認します。
9. まとめ:金融機関の案内に沿い、結果まで確認する
- 銀行へ死亡と取引内容を伝え、遺言や協議書に応じた案内を受けます。
- 必要な戸籍、印鑑証明書、所定の届出書は、金融機関ごとの条件でそろえます。
- 分割前の払戻しを使うときは、計算額、上限、必要書類、後日の精算を確認します。
- 書類の提出後は、実際の入金と相続人への分配まで記録します。
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